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井上恭輔――電子工作より生まれし巫女萌えバイナリアンNew Generation Chronicle(9/10 ページ)

ソフトウェアとハードウェアの両方に精通し、世の中を変革しようと牙を研ぐバイナリアンたちを紹介していく「New Generation Chronicle:バイナリアンスレッド」。第1回は、スーパークリエータの井上恭輔さん。普段は羨望(せんぼう)のまなざしで見られることの多い彼の真の姿に迫る。

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プログラムは表現手法という意味での「コトバ」

Q82 よいプログラマーの条件を3つ挙げてください。

  • プログラマーではなく利用者の都合に合わせて使う技術を選べる人。
  • 先入観に縛られないで技術を組み合わせることができる人。
  • 文章力や絵心がある人

 プログラミングは小説を書くのに似てると思います。処理の実装にも、インタフェースの設計にも、必ず起承転結がある感じ。そういうのは文章力や絵心につながっている気がしますし、実際に凄い人たちの中には、そういう方が多い気がします。

Q83 悪い/使えないプログラマーの条件を3つ挙げてください。

  • 開発言語や技術に宗教を求めている人。
  • 何事もまず否定から入る人。
  • 自分で動き出さない人。

 実装は手段であって目的じゃないので、開発言語の優越なんてまったく問題でないと思います。要するに面白いものが作れて、動けばそれでいいんじゃないかな。

Q84 プログラマーの35歳定年説をどう思いますか?

35歳を過ぎても輝いている開発者を多く知っているので、35歳定年説には同意しません。ただ、多くの職業プログラマーが冷遇されている業界の実態は、学生の立場から見ても素敵なものではありません。日夜、開発のために頑張っているカッコイイ職業だと思うので、周りの方々はもっとプログラマーを大切にしてあげてほしいです。

Q85 ぶっちゃけた話、今の給料は仕事の内容に見合っていると思いますか?

最近はちゃんと仕事を評価して頂き、満足な単価でお仕事を受けさせていただいています。それだけ自分が成長できているということなのでうれしいですね。

Q86 ぶっちゃけた話、今Googleから誘われたら転職しますか?

とてもうれしいお誘いですが、たぶんお断りすると思います。自分がやりたいことが、今はGoogleとは違う部分にあると感じていますので。

Q87 頭の中のぼんやりとしたイメージはどうすればコードに落とし込めるのでしょうか?

たぶん、ぼんやりしてたら勝手にコードに落ちてくる感じです(笑)。ぼんやり頭に浮かんだものを、何かしら言葉で説明しようとするとイメージが順序よく並びます。それを頭からサーッとコードに書いて枠組みを作ります。

 プログラム言語も言葉なので、イメージを文章化して相手に伝える作業とあまり大差はないと思います。やはり文章力と絵心なんでしょうか? ただ、枠組みを作った上で、具体的な機能を実装する過程では、技術的な壁にブチ当たって悩むことは非常に多くあります。そんな時は努力と根性! または電波を受信する瞬間を待ちます(笑)。

Q88 プログラマーとしての自分を100点満点で評価してください。

10点くらいです。まだまだ未熟ですし、経験も浅い。わたしごときのスキルでプログラマーと呼ぶのも片腹痛いといわれるかもしれません。

Q89 あなたにとってプログラムとは何ですか?

表現手法という意味での「コトバ」です。自分のイメージやメッセージ、コンセプトを相手に伝えるための表現手法の1つです。だからプログラムを作るだけじゃダメで、ハードウェア開発もプレゼンテーションもPRもデザインも素材制作も、全部つながっているんだと思います。表現に必要だと思ったら、ソフトウェアに限らず、まずはチャレンジしてみないといけないなって思います。

Q90 プログラマーをやっててよかったなと思うのはどんなときですか?

人より表現できる媒体が1つ多いということですね。プログラマーは思いを言葉でも伝えられるし、プログラムでも表現できるんです。さらに映像をやっていれば映像でも伝えることができるし、絵心がある人は絵で伝えることもできる。表現する手法を多く身につけることで、コミュニケーションの可能性や創造性は広がると思います。

Q91 プログラマー以外であればどんな職に就きたいですか?

映像業界で働いてみたいです。VE(ビデオエンジニア)があこがれです。いつかスタッフロールに名前が載るのが夢なんですよ。だけど、プログラマーとしても、何かしらの形でスタッフロールに名前が載る日を夢見ています。

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