ニュース
内部統制のポイントは「文書化」から「自動化」へ――日本版SOX法を目前に:「行く年来る年2007」ITmediaエンタープライズ版(2/2 ページ)
数年来、企業ITのキーワードとなっている「内部統制」。日本版SOX法の施行を目の前にし、その最後の準備年となった2007年は「自動化」をテーマとした製品が多く見られた。
2008年度は見極めの時期
多くの企業では2008年度は内部統制の実施の初年度となる。初年度は統制に取り組みながらも、その範囲を見極めていく必要があるだろう。内部統制を意識しすぎて不必要な投資をしては本末転倒だ。例えば、セキュリティ管理は、日本版SOX法においては監査の対象外となっている。仮にウイルス感染などで業務が停止し大きな損失があっても、損失が正確に報告されていれば、内部統制の上では問題ないとされる。
しかし、実際にはセキュリティに注力しないわけにもいかないだろう。このあたりのバランスを見出すことが2008年の課題となると言える。内部統制を進めながらもそれにとらわれず、「企業の力を向上する」という基本的な目的を忘れないようにすることが必要だ。
また、内部統制をこれまでの業務の流れを妨げるものと考えてしまうと、社内の業務に対するモチベーションの低下など、良くない結果を招きかねない。内部統制を機にフローを見直し、競争力のアップにつながる体制を作るきっかけにする、というような前向きさが求められるだろう。
関連記事
- IT導入事例から垣間見える「経営の真贋」
内部統制強化の波は、金融系だけでなく多くの製造業にも強くプレッシャーを及ぼしている。IT導入事例の取材の中でも、経営を厳しくチェックする外部の目は、その存在感を増している。 - メタボ対策にも有効、それがCOBITフレームワーク
COBITはITガバナンスのための、最も上流行程の考え方である。最近よく聞かれるようになった「戦略と戦術」でいうところの「戦略」に当たる。今回は「戦略」と「戦術」の違いを明確にしたい。 - 日本版SOX法対応、文書化で終わったつもり? ベリングポイントが経営者評価支援サービス
- 日商エレクトロニクスら3社、内部統制ソリューションを発表
- 日立製作所、JP1 Version 8の機能を拡充
- 内部統制対応のための包括ソリューションを国内投入――日本オラクル
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.