店舗運営ソリューション――成功のカギは「三位一体」:多店舗運営企業向けSaaS(2/2 ページ)
ドリームアーツ、ネクスウェイ、インターネットイニシアティブ(IIJ)は共同で多店舗運営企業のコミュニケーションを支援するソリューション、「店舗 matic」のサービス開始を発表した。同サービスはSaaS形式で利用される。
月に5200円でコミュニケーション効率化
「店舗 matic」はSaaSで提供される。複数の店舗と本部で利用するには最適な提供方法という判断が働いたようだ。料金のモデルとして500店舗の場合、月額260万円という数字が示された。1店舗あたり月に5200円(税別)という設定だという。
インフラを提供するのはIIJ。同社はデータセンター事業を積極的に拡大しており、今回のソリューションの成功にも大きな期待をしているという。同社専務取締役の保条英司氏は次のように語る。
「こうしたソリューションを各利用企業が自社のサーバに組み込んで運用した場合、初期投資がかさんでしまう。SaaSという形で提供すれば、導入も非常にしやすいだろう。当社としても、このソリューションをインフラ面から支援していきたい」
ネクスウェイによると、初年度の導入企業の目標は20社。3年後は80社、年商15億円を目指すという。
最適な3社が集まり実現した
今回の発表では、IIJの保条専務が、ドリームアーツとネクスウェイを引き合わせたという話が披露された。
「ギラギラした商売の話は一切なしで紹介された」(ドリームアーツ、山本孝昭社長)とのことだが、今回の出会いは絶妙な取り合わせだ。9000法人の顧客を抱え、営業力を誇るネクスウェイ、数多くのカスタマイズの要求に応えてきたことで、ユーザーのニーズを把握する力に長けたドリームアーツ、そして国内有数のネットワークサービス基盤を持ち、高い運用力でユーザーからの信用も厚いIIJ。SaaSで新しいサービスを仕掛けるには最適なコンビだ。
営業力と製品力だけではSaaSは成功しない。ユーザーがスムーズに活用できるインフラがどうしても必要だ。SaaSによる事業展開を目指すIT企業は多い。しかしネックとなるのはインフラである。今回の協業は営業力、製品力そしてインフラという3つがうまく揃った結果から実現したものといえる。
今回は、500店舗でのモデルケース料金が示されただけだったが、500店舗以下、10店舗、100店舗単位で利用できるかということも今後明らかになっていくだろう。
また、基幹システムなど他のシステムとの連携や、オプション機能のメニューをどれぐらい豊富にそろえることができるか、ということもユーザーの関心を集めるところだろう。
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