シスコ、データセンター向けソリューションを強化
シスコシステムズは、データセンター向けソリューションの強化を発表。毎秒最大15テラビットの大容量通信や仮想化環境に対応したスイッチ製品を発売する。
シスコシステムズは1月29日、データセンター向けスイッチの新製品「Cisco Nexus 7000」シリーズを2月から発売すると発表した。Catalystシリーズの製品ラインアップ拡充も併せて発表し、データセンター向けソリューションを強化する。
Nexus 7000シリーズは、毎秒最大15テラビットのスイッチング容量を持ち、256ポートの10ギガビットイーサネットを収容できるモジュール型製品。ネットワークの仮想的な運用を実現する新OS「NX-OS(Nexus Operating System)」を採用する。イーサネットやIPなどの各種I/Oの統合に対応するほか、ストレージ間通信ではAES 128ビット強度の暗号化機能などを搭載する。データセンター仮想化に合わせて、自律的なネットワーク運用が可能になり、効率性が高まるという。将来的には毎秒40/100ギガビットのイーサネットへの対応も予定する。
テレビ会議で会見した米Cisco Systemsのジェイシュリー・ウラル上級副社長は、「Web 2.0やSaaSに代表されるネットワーク経由のアプリケーション利用が急速に伸びている。次世代のデータセンターではシステムの簡素化、効率的な運用、消費電力の削減が求められ、新製品はこれらの課題を解決する新たなプラットフォームになる」と述べた。
ウラル氏によれば、Nexus 7000シリーズの導入効果として、例えばニューヨークとサンフランシスコ間で最大500万回線ものテレビ会議通信を処理できるという。また、データセンターの消費電力量を8%程度削減できる効果が見込まれる。「Cisco全体で導入した場合の試算では、1億8000万ドルのコスト削減効果があると判明した」(ウラル氏)。データセンター全体の処理性能も高まるため、Webアプリケーションの応答性向上など、エンドユーザー向けサービス改善にもつながるとしている。
次世代データセンターの段階的な移行を支援するため、シスコではスイッチ製品の主力となる「Catalyst 6500」などで、10ギガビットイーサネットへの対応や収容ポート数の拡張などを強化する。
Catalyst 6500シリーズでは、1筐体当たり最大130ポートの10ギガビットイーサネットを収容できる「16ポート 10ギガビット イーサネット モジュール」、筐体前面から背面へのエアーフローを採用し、9つの垂直スロットを持つ「6509-V-E シャーシ」をラインアップに追加する(6509-V-E シャーシは追加済み)。
このほか、省スペースを実現したラックマウント型スイッチ製品の「Catalyst 4900M」シリーズも発売。また、データセンターのネットワークを効率的の管理するためのプラットフォーム「Cisco Date Center Network Manager」も提供する。
製品名 | 販売時期 | 参考価格 |
---|---|---|
Nexus 7000シリーズ | 2月 | 1015万5000円〜 |
16ポート 10ギガビット イーサネット モジュール | 2008年4〜6月期 | 未定 |
6509-V-E シャーシ | 2007年12月 | 182万7000円〜 |
4900Mシリーズ | 2月 | 251万円〜 |
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