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「電源まわり」から見るデータセンターのファシリティもう一度、省電力を考えよう(3/3 ページ)

注目を集める「グリーンIT」。グリーンITは環境への配慮を狙うだけでなく、省電力による低コスト化など、TCO削減にもつながる取り組みである。企業のデータセンターにはグリーンITへの対応が強く求められている。

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ロスの少ないレイアウトを考える

 データセンターの消費電力を削減するために取り組まなければならないのは、ハードウェアだけではない。商用データセンターでは、19インチラックが整然と並び、排熱をコントロールした空調設備が整っている。しかし、多くの企業のサーバルームは、サーバコンピュータやストレージが雑然と置かれているようなケースもよくあることだ。当然のことながら、排熱の空気の流れなどまったく考えられていない。まるで冷蔵庫の中のようにクーラーをフル回転させることで排熱対策を行っている企業さえある。もちろん、消費される電力量とそのコストはは凄まじいものだ。

 そこで、データセンターやサーバルームの物理的なフロアーレイアウトを再考してみよう。より少ない風量、あるいはクーラーをフル回転させて温度を下げなくても、排熱対策が行えるレイアウトはある。ベンダーによっては、データセンター構築のコンサルティングメニューの1つに、現行の排熱状態をシミュレーションして問題点を抽出し、最適な空調の設備やフロアーレイアウトを提案してくれるサービスがある。こうしたサービスを利用することをお勧めしたい。場合によっては、省電力タイプの最新空調設備に置き換えることも検討すべきである。

 さらに、電源の問題で着目すべきなのが、データセンターへ電気を供給する変圧器である。電力会社から送られてくる交流送電電圧をハードウェア機器が実際に利用する200V、あるいは100Vへと降圧する変圧器では、電圧をトランスする際に電力ロスが発生する。実は、この電力ロスがかなりの量で、旧式の変圧器ほど効率性に乏しい。データセンターを新規に建設する場合だけでなく、変圧器をはじめとする既設の電源供給設備を見直すことも、重要な取り組みなのだ。

 多くの企業のデータセンターやサーバルームは、こうしたファシリティへの取り組みは、十分ではない。グリーンITというキーワードが注目されるが今こそが、ファシリティを見直すちょうど良い契機だと言えるだろう。

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