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墓前で死者の声を聞く QRコードビジネスの今:ヘビーユーザーはまだ一部(3/3 ページ)
お墓参りに携帯電話を利用、故人の声をQRコードで聞く――そんなサービスが最近発表された。企業は今後QRコードをビジネスにどのように活用していくのだろうか。
QRコードビジネスはどこにいくのか
今後QRコードはどのようなビジネスを生み出すのか。
「航空業界では、紙の航空券をなくすためにQRコードを導入している」(IT DeSign広報)。「QRコード経由で大学が入試情報を提供したり、ドナーカードにQRコードを掲載したりしている」(水島氏)――チラシやポスターなどにQRコードを印刷すればいいというビジネスモデルは薄れつつある。
「トレーサビリティの観点からQRコードの利用を考えるメーカーや業界団体も増えている」(IT Design広報)という。誰が生産し、どのような経緯で加工したかといった情報をQRコードとして食品につけることで、消費者は安全を確保できる。ICタグなどに比べて価格が安いが、「食品業界での実用化は進んでいるわけではない」(境野氏)
「買い物をしながらQRコードを読み取るようなユーザーはほとんどいない。ユーザーはQRコードについて、URLを打つ手間が省けるくらいのメリットしか感じていないからだ」(境野氏)。「ユーザーの8割以上がQRコードを利用した経験があるという調査を発表したが、継続的に利用しているヘビーユーザーはまだ一部」(同氏)
企業はQRコードをプロモーションに利用する。だがビジネスとして利益を出すには、ユーザーがQRコードを使う利点をこれまで以上に考える必要がありそうだ。
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