ビル・ゲイツ氏最後のMicrosoft CEO Summit:「博愛主義者に」(2/2 ページ)
これはゲイツ氏が行ったキーノートをライブでブログ投稿された“生の”記事である。最初の投稿のタイムスタンプは5月14日11時31分であり、キーノートはそれから約55分後に終わった。
「われわれが通常、情報について考えるとき、それはリニア(直線的)なものである」とビルはタッチスクリーンインタフェースを示しながら語った。そして彼は「Microsoft Touch Wall」のデモを行った。デモでは、机の上にページを広げたようにドキュメントが表示された。インタフェースは全面的にマルチタッチ方式で、iPhoneのインタフェースをさらに強力にしたような感じだ。ビルは片手あるいは両手を使ってコンテンツを操作した。
Touch Wall技術について、ビルは「これは当社のR&Dラボで現在開発中だ」と述べた。Officeグループでは、この技術をOfficeに組み込むことを検討しているという。わたしの知る限りでは、このプロジェクトは新しいOfficeラボで立ち上げられたものだ。それはともかく、Windowsクライアントグループでは「これをOSレベルに組み込もうとしている」とビルは述べた。
彼は次に「Shared Vision: Quests」(共有ビジョン:探求)というタイトルのスライドを見せた。これは何かのミスなのか? それともビジョンの探求という意味なのだろうか? 折悪しく、そこで電話のベルが鳴ったため、わたしはこのスライドについて彼が最初に言ったことを聞き逃してしまった。彼は次に、「逐語的報告」および顧客からのフィードバックの収集について述べた。エラーメッセージは非常に重要であり、Microsoftはそれに基づいて、Exchangeインフラをよりよく管理する方法を企業のITマネジャーに示すことができるという。
ビルは次に、Microsoft Researchをはじめとする同社の研究施設の重要性について語った。また、大学との共同研究の重要性も強調した。「そこには当社より巨大なマンパワーが存在する」
ビルは研究の重要性について、「これは新しいアイデアを運んでくる非常に強力な脚だ」と述べた。さらに「われわれは買収を通じて、新しい血と新しいアイデアを取り入れる」という。Microsoftが常に新たな買収を狙っていることをビルが示唆するのは珍しいことだ。彼によると、製品グループがしばらくの間、買収を行わなかった場合、スティーブ・バルマーCEOは彼らに、「十分に柔軟なアプローチで臨んでいるのか」とか「買収を通じて新しいアイデアや新しい技術を導入することを検討してはどうか」といった問いかけをするという。
さらにビルは、Microsoftの「Think Week」の重要性についても述べた。これはもともと、彼が1週間、日常業務から離れて従業員のフィードバックや提案を検討したことから始まった。Microsoftでは現在、同社の理論的指導者たちがコラボレートするための手段としてSharePointを利用している。「われわれはこれを草の根プロセスとして制度化した」と同氏は語った。「現在は年2回の周期で実施している」
彼は、テレビ、読書、さらにはデータセンターが今後どう変化するかといった幅広い問題に話題を転じた。「変化は大したことのないように見えるが、徐々に進行しており、やがて巨大な変化につながる」と彼は強調した。
ビルの公式なスピーチは午後12時25分(東部標準時)に終わった。ビルはその後で質問を受け付けたが、その模様は配信されなかった。わたしは配信映像を見ながらブログに記事を投稿した。CEO Summitはプレスには公開されていない。
ビルがLive Meshのことを話さなかったのは意外だった。彼は、企業に大きなインパクトを与える可能性がある、この重要な同期化サービスに一言も触れなかったのだ。わたしの推測では、プレスに非公開で終日にわたってMeshに関する説明が行われるのではないだろうか――CEOたちをTouch Wallから引き離すことができればの話だが。
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