MicrosoftとYahoo!の提携が開発者にもたらすメリットとは:昔から続く戦争(2/2 ページ)
MicrosoftとYahoo!の間で再び交渉が始まったようだが、わたしにとって関心があるのは、両社の提携が開発者にとって何を意味するのかということだ。
ある著名なWeb 2.0インフラソフトウェアプロバイダーは、次のように述べている――「仮にこれが問題になるとしても、遠い将来のことだろう。MicrosoftがHotmailをWindows環境に対応させるのに3年余りかかった。電子メールという1つのスタックだけでもそれくらいかかったのだ。Microsoftは当分、Yahoo!のスタックに根本的な変更を加えることはないと思う」
Microsoftがさまざまな形でYahoo!開発者を支援するだろうと予測する向きもある。
RedMonkのアナリスト、マイケル・コート氏は「最大の効果は、Yahoo!の開発者関連業務の基盤が強化されることだろう。彼らは立派な仕事をしているが、規模、スタッフ、経験においてMicrosoftにはかなわない」と話している。
Evans Dataが5月5日に公表した最近の調査結果によると、ビジネスアプリケーション用のWeb 2.0開発にフォーカスしているソフトウェア開発者は、総合的なWeb 2.0開発サイトという点ではMicrosoftのMSNを最も高く評価している。
「オープンソースやオープンなデータといったオープン性がYahoo!からMicrosoftに注入され、Flickrやdel.icio.usなどのWeb 2.0企業の開発思想がMicrosoftのLiveブランドに徐々に注ぎ込まれることが期待されるだけでなく、ミドルウェアおよび開発ツール全般も素晴らしい付録だと言える。この分野で気掛かりなのは、Yahoo!のPHP/非.NET技術とコミュニティーをMicrosoftがどのように扱うかということだ。放任するだろうとは思うが、どうなるか分からない」とコート氏は話す。
「RIA(リッチインターネットアプリケーション)分野では、Silverlightを普及させるためにYahoo!を利用するというのは、Microsoftにとって非常にうま味のある筋書きだ。しかし、AJAX(Asynchronous JavaScript and XML)とFlashを好むYahoo!信奉者たちにとっては、苦くて飲み下せない薬かもしれない」(同氏)
Microsoftは5月3日、Yahoo!を全面的に買収する提案を取り下げ、5月18日には次のような声明を発表した――「MicrosoftによるYahoo!買収提案を取り下げて以降の展開を踏まえ、Microsoftは自社のオンラインサービスおよび広告事業を強化・拡大するための選択肢を引き続き追求していくと発表した。Microsoftは、Yahoo!の全面買収ではなくYahoo!との取引に関する代替案を検討、提案している。
Microsoftは今回、Yahoo!を全面的に買収する新たな申し入れを提案してはいないが、将来の展開やYahoo!との交渉、あるいはYahoo!株主、Microsoft株主、そのほかの第三者との話し合い次第で買収案を再検討する権利を留保している」
「これらの話し合いで取引が成立する保証はない」(同声明文)
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