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カガーマンCEO、SOAからビジネスネットワークへ企業の変革を支援するSAPPHIRE 2008 Berlin(2/2 ページ)

独SAPは5月19日、本拠地のドイツ・ベルリンで年次カンファレンス「SAPPHIRE 2008 Berlin」を開幕した。欧州ではカガーマン会長兼共同CEOとして最後の講演となる。

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ITとビジネスのギャップを埋める

 今後ビジネスネットワークを実現する、1)洞察、2)柔軟性、3)効率性、の3つの要素を強化し、クローズドループでビジネスパフォーマンスの最適化、ビジネスネットワーク企業への転身を実現する。


洞察、柔軟性、効率性がクローズドループを実現

 3つの要素を掘り下げてみていくと、1)の洞察は、ビジネスネットワークの業績を最適化するもの。今年はじめに公開買い付けにより取得したBIベンダー、仏Business Objectsが大きな役割を果たす。ユーザーインタフェースの強化により、業務担当者はITに頼ることなく高度な分析が可能となった。より的確な意思決定につなげられるという。

 基調講演では、ビジネスユーザーが「Crystal Reports」「Web Intelligence」など、Business Objectsの分析機能やダッシュボード技術を使って、深いビジネス情報を視覚化し、意思決定につなげるというデモも披露した。

 2)の柔軟性では、要件に合わせビジネスユーザーとIT担当者がともにモデルを設計し、シュミレーションし、実行することを目指す。ここでは、米国のSapphireで「SAP NetWeaver Business Process Management」を発表している。デモでは、ビジネス分析担当者がサービスレポジトリから選択しながらモデルを作成、テスト実行してみせた。3)の効率性では、Business Suiteで提供している24の業界でのベストプラクティス、プロセスオートメーションなどが実現する。

 カガーマン氏は、ビジネスネットワークにおいて重要となるのは、「ビジネスネットワークの業績を最適化すること」と説明する。

Business Objects買収とBusiness By Designで事業拡大

 SAPの戦略を事業としてみると、ビジネスユーザーへの拡大、SaaSのBusiness By Designの2つは新しい分野となる。前者は新規ユーザー獲得、後者は有機的成長をもたらす。前者はBusiness Objectの買収で大きく前進、現在、2社の製品ポートフォリオの統合を進めているところだ。後者は、SAPのイノベーション力を示すものとして、慎重に市場に提供する構えだ。

 厳しい経済環境にあるが、カガーマン氏は「ビジネス環境が厳しいことは、SAPにとってよいことだ」と自信を見せる。北米市場は減速となったが、米国市場はSAPの全ビジネスの3割を占めるにすぎない。アジア・太平洋、EMEA(欧州、中東、アフリカ地域)は好調で、2008年第1四半期、市場シェアは4.2ポイントアップし、32.6%となった。これには、仏Business Objectsの買収で獲得した3.3ポイントが含まれる。

 「買収と有機的の両方で成長しているベンダーは、業界ではほとんどいない」(カガーマン氏)

 これは、2位である米Oracle(16.1%)の2倍であり、3位の米Microsoft(3.4%)とも大きな差をつけている。さらには、まだ開拓できる市場が15%残っていることにも触れ、今後も見通しは明るいとの見解を示した。


会場となったMesse Berlin

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