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SAPでビジネスネットワークを構築、調達プロセスを合理化――フランスのSidelSAPPHIRE 2008 Berlin(2/3 ページ)

「SAPPHIRE Berlin 2008」では、SAPユーザーによる成功事例が多く紹介された。容器成型機ベンダーのフランスのSidelは「SAP SCM」の一部であるSNCを導入し、ビジネスのやり方を根本から変えた。

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ITmedia サプライヤーから抵抗はありましたか?

ガルバニ このようなツールを社外で提供するのは難しいことが多いのですが、どうしてSNCが必要なのかを説明するのに多くの時間を割きました。SNCによりビジネスネットワーク全体の業務が改善され、売り上げが増えます。これはサプライヤーにとっても利益をもたらすものだと説得したのです。SNCの必要性の説明だけでなく、トレーニングも行いました。

 もう一つの課題は、サプライヤーの規模が大小さまざまだったことです。われわれは、5人程度の小規模企業から独Siemensのような巨大企業まで、さまざまなサプライヤーを持ちます。“ステップ・バイ・ステップ(少しずつ)”を原則に、1社1社に確実に導入することで成功事例が生まれ、これが次の導入につながらい成功事例を生みました。実際、数が増えるごとに楽になりました。

 時間も短縮されました。最初のサプライヤーに4ヶ月かけましたが、その後、事例を基にサプライヤーの統合プロセスを設計し、作業を容易にしました。テンプレート化してサプライヤーに管理してもらうことで、現在では統合作業は半日で終わります。多くの企業のCEOにとってSAPは「高価」「時間がかかる」「難しい」と思われていることを考慮すると、これは大きな成功だと自負しています。

ITmedia 効率化やコスト削減以外のメリットは?

ガルバニ ビジネス部門との関係が逆転したことです。ITとビジネスとのギャップはSidelでも大きな課題でした。「同じ言語を話さない」といいますが、同じ言葉を違う意味で使うことがあり、共有していません。SNC導入前は、ビジネス側からツール実装の要求があり、われわれはそれに応えるというパターンでした。現在ではビジネス部門との関係が逆転し、IM側がビジネスの指示を待つようになりました。

 わたしはあえて自分の任務を「情報マネジメント(IM)」というようにしていますが、その理由は情報技術(IT)より適していると思うからです。ITは技術やプラットフォームを意味しますが、IMはプロセスやプロセスを管理するソリューションを受け持ちます。この2つは違います。10年前はIT担当者でしたが、いまはIM担当者だと思っています。イノベーションをユーザーに届けるのが仕事です。その後は、ユーザー自身に選択してもらえばよいのです。

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