キーボードにエサをあげちゃダメ:悲しき女子ヘルプデスク物語(4/4 ページ)
いつも触るものだけに、キーボードやマウスのトラブルは結構多い。キートップを外したあげく戻せなくなったり、盛大に飲み物をこぼしたり……。そういう事件を解決するのも、わたしの仕事なのよね。
Aさん伝説、再び
あらためて社内を見渡すと、ワイヤレスタイプのマウスがとても多いことに気づく。ところが仕組みを知らずに使うものだからトラブルの元にもなりやすい。ワイヤレスといってもマウス本体とレシーバー部分が電波で通信をしているので、金属性の遮蔽物があると電波が遮断されたり、干渉したりして届かなくなることがある。いや、遮蔽されていなくても、スチール製のデスクの上で利用する場合には注意が必要だ。電波の種類にもよるが、レシーバーとマウスとの間が30cmも離れると、届かなくなることだってある。
先日も、部署移動になったとたんワイヤレスマウスが動かなくなったというヘルプコールがかかってきた。アンテナ部分はしっかりと差し込まれているという。電池も変えてみたけれど動かないとのこと。物理的な故障なのだろうかと現場に向かってみるわたし。見てみると、本体と液晶モニターの間に立てかけてある資料が倒れないように、金属製のブックエンドが挟み込んであった。これが原因でワイヤレスマウスが動かなくなっていたのだ。ワイヤレスマウスを本体の後部から前部のUSBコネクタに差し込むと問題なく動いた。こんな笑い話のようなことが実際にある。
今も昔もマウスのトラブルで一番多いのが、「反応が鈍い」ということだ。ちょっと前のボール式マウスは、ホコリを巻き込んで動きが鈍くなるというのが悩みの種だった。最近は光学式マウスが増えて、そういうことはなくなったけど、でも光学式マウスだって万能ではない。机の上に透明のシートを乗せていたり、単純なベタ塗りのマウスパッドだったりすると、やはり動きは鈍くなる。ワイヤレスマウスの場合は電池切れ、ということもある。そういえば、レーザー式マウスの場合は、反応が鈍いというトラブルはないなあ。でも、「このマウス、赤い光線が出てないんですけど、壊れてませんか?」」なんて聞かれることはある。時代が変われば、悩みも変わる……。
そうだ、キーボードマニアのAさんは、どんなマウスを使っているんだろう? まさか、キーボード好きが高じて、「操作はすべてキーボードだ!」なんてことはないわよね。そう思ってあらためてAさんのデスクをのぞいたら、Realforeキーボードの右にあったものは。
トラックボールだった。
恐るべしAさん……。マウスまでこだわり派なのね。
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