増加する学校裏サイトや犯罪予告 企業も取り組みを強化:大人が、企業が子どもを守る(2/2 ページ)
特定の学生の誹謗中傷や犯罪予告などを掲示板に書き込む行為が後を絶たない。インターネットを通じて対応策を提供する企業が増えている。
監視業務の延長線上にあった通報活動
ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、掲示板の監視事業を手掛けるイー・ガーディアンは、インターネット上での自殺予告や犯罪予告などを通報するボランティア活動を開始した。
同社は掲示板の投稿監視サービスを企業向けに提供しており、1日当たり約25万件の投稿を監視している。自殺や犯罪に関連するキーワードを自動的に見つけ、赤く反転させるシステムを利用して、有害情報を見つける。「悪質な書き込みを1日1、2件発見している」(同社)といい、これらを警察やインターネット・ホットラインセンターに通報する。
監視スタッフは1〜2名。1日2時間程度掲示板などを見回り、有害情報の有無をチェックする。顧客企業以外の掲示板も監視し、モバイルサイトにも監視の目を広げていくという。
相談の場も掲示板で
掲示板で誹謗中傷を受けた学生・生徒は、たとえそれが悪意なく書き込まれたものであっても、心に大きな傷を負う。保護者や教師がそれを発見できなかった場合、生徒・学生個人での対処は難しい。
学校裏サイトやネットいじめなどの解決に取り組む全国webカウンセリング協議会は、10代の女子児童に人気のポータルサイト「ふみコミュ!」上に、「みらクリッ!×ふみコミュ!カウンセリングルームを開設した。
このカウンセリングルームでは、ネットいじめや学校裏サイトなどの被害に遭った子どもたちの相談を掲示板で受けつける。同協議会が認定した心理療法カウンセラー5名が掲示板に回答を書き込み、やり取りを続けることで、子どもの不安をやわらげる。
「子どもにとって“カウンセリング”という言葉は重たい。ちょっとした不安でも気軽に相談できるオープンな場が必要」と日本青少年キャリア教育協会の佐藤仁一事務局次長は言う。ふみコミュ!内にあるSNSからカウンセラーに相談もできるが、「掲示板からの相談の方が多い」(同氏)。7月8日の開設から2日で、約20名の相談があった。
相談員やスタッフの書き込みの横にはひまわりの絵文字を掲載し、外部からのなりすましを防ぐ。日中は7、8名の従業員で、夜は監視サービス企業に業務を委託し、不正な書き込みを防いでいる。
佐藤氏は「子どもによる掲示板への書き込みはこれまでもあったが、今の書き込みは子どもだけでは解決できないレベル。企業や学校などの大人が子どもの環境を守る必要がある。企業が率先してこのような活動を広げていってほしい」と話している。
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