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「おサイフケータイ」ビジネスの将来像アナリストの視点(3/4 ページ)

「おサイフケータイ」が決済ツールとして本格的に普及してきた。サービス展開する企業側としては顧客の囲い込み手段にもなる。おサイフケータイビジネスの将来像を探る。

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現状の課題・問題点

 現在のおサイフケータイのシステムには、ユーザーサイドがアプリケーションのダウンロードや各種登録、設定作業という手続きが必要である。消費者サイドとしては、携帯電話から受けるサービスがあくまで利便性である以上、導入時に掛かるこれらの手間が煩雑であると感じるユーザーも多いだろう。このような手続きについて、若年層には抵抗感は少ないものの、購買力のあるとされる中高年層にとっては、導入意欲を著しく失わせる結果ともなりえる。概して、おサイフケータイがそれらの登録や機種変更時の操作を乗り越えてまでメリットを感じられるサービスかどうかという実感にも乏しいと思われる。

 ユーザーサイドが感じる課題としては、カードにあるブランド効果をどのようにおサイフケータイに取り込むかといったテーマがある。ステイタスとしてのクレジットカードを所有するユーザーにとって、カードは利用者の自尊心やソーシャライズにおいて大きな利用価値を持っており、おサイフケータイではこれらの重要な特性を十分に獲得できないこともある。

 サービス取扱店舗の視点から見ても、おサイフケータイシステムの導入はイニシャル・ランニングコストがかかりすぎる点なども指摘されている。今後はこれらの課題にどう対応していくのかが重要であり、おサイフケータイビジネス市場の成長には、ユーザーと参入企業の双方に利便性を認められることが必要となるのである。

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