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「おサイフケータイ」ビジネスの将来像:アナリストの視点(4/4 ページ)
「おサイフケータイ」が決済ツールとして本格的に普及してきた。サービス展開する企業側としては顧客の囲い込み手段にもなる。おサイフケータイビジネスの将来像を探る。
今後の見通し
【グラフ おサイフケータイ対応機種契約者数の推移】
契約者数増加の順調な推移に比例して利用率についても拡大しているが、まだまだ低い水準にある。利用率については、契約者数の20%〜30%といわれている。また、この数字には1回でもおサイフケータイを使用したことがある契約者も含まれており、アクティブなユーザーはもっと少ないと容易に想像できる。さらに、ヘビーユーザーといわれるユーザーに限定するとその数値はもっと少なくなるだろう。
2007年3月末の契約者数は、2,890万契約(矢野経済研究所推計)あり、仮に利用率が20%だった場合だと578万契約となる。現在、1億契約オーバーの携帯電話市場から見るとわずか5%あまりであり、まだまだ発展途上といえるだろう。この先、対応端末の増加はキャリア自らが積極的に行なっていけるが、利用率の増加については、利用シーンの拡大を含め、利用店などのパートナー企業の動向が関与するため、不透明な部分が大きくなるだろう。
しかし、消費者から見れば、充分魅力的なサービスであるのは間違いなく、もうすでに生活インフラとしての機能も担い始めている部分もあり、今後も利用率の増加傾向は継続していくものと考えられる。
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