Googleは消える:見えてきた限界(3/3 ページ)
「Googleって、やっぱ一発屋かな?」と、同僚のクリント・ボールトンが聞いた。わたしは答えた。「ネタは尽きたね。もうGoogleのマジックは終わりだよ」
ほかの誰かなら
昨年度の総売上166億ドル、株価483.01ドル(8月25日現在)、時価総額1580億ドルのGoogleに対して辛らつな予測をすれば、読者は気でも狂ったかと思うだろう。しかし、わたしの稼ぎは、ほかの人と少し異なる視点を持つことによってもたらされる。2003年の夏、「Windows Vistaは2006年まで出荷されない」と予測したとき、わたしは人々の冷笑を浴びた。しかしどうだ。結局、MicrosoftがVistaを出荷したのは、それよりずっと後だったではないか。「Googleは消え去る」---それはまさにMicrosoftの願いだ。ただし、Googleがどこかへ行ってしまうわけではない。現在のコースより少し外れるだろう、というのがわたしの予測である。
成功する企業には1つの共通した特徴がある。パーセプションの管理に長けていることだ。Googleは若い会社で、株価も高く、検索と検索広告市場で高いシェアを握っているため、それが容易だ。しかし、そうしたパーセプションには議論も多い。別の方向からGoogleを見れば、同社は最近の買収戦略のほぼすべてにおいて、企業価値を最大化することに失敗している。代表的な例としてはYouTubeがあるが、わが同僚のクリントはその他にも、GrandCentral、Jaiku、Postini、Zingkuなどのケースを挙げる。そしてAndroidだ。
トラブルの兆しは他にもある。「GoogleはSECに提出した資料の中で、AOLに対する10億ドルの投資が減殺されたとしている。どうやら投資は失敗に終わったらしい」とクリントは言う。検索と検索広告は大ヒットしたが、Googleがメディア会社であったならば、もっと大きな成功を手にしていたかもしれない。
Googleのコアビジネスに広がりはなく、深さも十分とは言えない。対照的に、MicrosoftやYahooは幅広い製品とサービスのポートフォリオを誇る。両社は今日、検索市場で成功していなくても、明日もっと別な場所で成功できるだろう。Googleはよほど大きな変化がない限り、そろそろ本質をさらけだすときが近づきつつある。もしまだすごいアイデアがあるというのなら、早くそれを見せてもらいたいものだ。
Googleの問題は、他社の優れた技術を次々に飲み込んでいった結果、資産の大部分が混沌としてしまったことだ。GoogleはWebの仲介業者のようでもあり、自動車のセールスマンのようでもあり、金融ブローカーのようでもある。あるいはパラサイトのようだ、と言えるかもしれない。人々の情報を刈り取るグーグルの手法そのものにも限界がありそうだ。情報はエンドレスだが、人々が本当に必要としているものは少ない。成長の限界が明らかになってくれば、Googleもポジティブなパーセプションを維持することが難しくなるだろう。Googleの株価に真の姿が反映される日は、いつか必ずやって来る。
Googleに関しては、笑えない皮肉がささやかれている。情報検索をビジネスにしている会社だけあって情報開示には慎重だ、というものだ。Googleの内部情報は厳重にガードされている。Googleの支配圏では、情報は常に一方通行である。同社のビジネスモデルを考えれば、それはあまり奇異なことではないのかもしれない。他者の情報をかき集め、利益を得ることにかけては、Googleの右に出るものはない。
どうやら「it takes one to know one(分かるやつには分かる)」という言い回しは、Googleにも当てはまりそうだ。彼らは好奇の目から情報を保護するために、ほとんどディスクロージャーしない。そう、あなたの近所に住む詮索好きの人は、いつも自分の家のカーテンを閉めているだろう?
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