米Googleは9月8日、新しいログ保存ポリシーを明らかにした。これまで匿名化前のユーザーのIPアドレス保存期間を18カ月間としていたものを、今後は9カ月間に短縮する。プライバシー保護を求める各国の規制団体の要求に応え、プライバシー保護を強化するためという。
同社は2007年3月、ほかの主要検索エンジンに先駆け、一定期間ログを保存した後に匿名化する方針を発表した。同社は、検索の質の向上、セキュリティの向上、詐欺やスパムの削減のためには、ログ記録を保存する必要があるとして、公式ブログなどで繰り返し説明してきた。
しかしその後も、特に欧州と米国の政府関係者から、ログ保存ポリシーについて説明を求められ、プライバシー保護を要求されたため、今回の決断に踏み切ったという。
Googleは同日、欧州のプライバシー規制団体に書面で回答を提出し、18カ月間の保存ポリシーを9カ月に短縮すると約束した。
同社は今回の決断について、ログ記録保存期間の短縮は、プライバシー保護向上の点では進歩だが、データ量が少なくなることから、セキュリティや検索の質の向上などの面では損失になると説明している。
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