独立系がメーカー系と対抗するには技術の差別化が必要?:ビジュアルなグラフで理解(3/3 ページ)
上流業務を行う企業への転職の夢が捨てきれない江水君。今回は巨大な「メーカー系」企業群と、差別化、独自化で勝ち残りを図る「独立系」企業群について学ぶことに。
冠里さん では最後に、メーカー系です。
江水君 NEC、富士通、日立製作所、そして東芝と……。あれ、たった4社だけですか?
冠里さん 正確には、NECグループ、富士通グループ、日立製作所グループ、東芝グループの4つです。どの企業をメーカー系に入れるかは人によって解釈が分かれることもありますが、メーカー系を「一定以上の規模で、コンピュータ(ハードウェア)を製造・販売しながら、情報サービス業も展開している国内企業」と定義すると、この4グループに絞られます。
江水君 どれも巨大グループですね……。
冠里さん これらの企業は情報サービス業だけを営んでいるわけではありません。特に日立や東芝は、家電やAV機器、そして原子力発電システムや医療機器など、その事業は幅広い分野におよんでいます。もちろんIT業界でも広い範囲をカバーしていますね。ただ、東芝グループだけは、子会社である東芝ソリューションや東芝情報システムがシステム開発業務を担当しているという点で、ほかの3グループと異なります。
江水君 では、残りの3グループは親会社自身も情報システム開発にかかわっているということですね。
冠里さん はい。ただし残り3グループも、グループ内での役割は分担しています。
冠里さん NECグループには、システム開発全般、ネットワーク&インフラ、アウトソーシング&運用管理などを専門に手がける企業があるわけです。つまり、親会社が獲得した案件を、その内容に応じてグループ企業に回しているということです。
江水君 なるほど。たまには、ウチにも仕事を回して欲しいですね!
著者紹介
イノウ業界研究会 業界、会社、仕事のことを、「動く図表」「リアルなキャラ」「MECEな文章」を使い、Webと書籍の連動で「分かりやすく」解説することを目指しています。IT業界については「IT業界 しくみとながれ」、コンサルティング業界については「コンサル業界 しくみとながれ」でも動くグラフのサービスを提供中。
『世界一分かりやすい IT(情報システム)業界の「しくみ」と「ながれ」』(amazonへのリンク) イノウ業界研究会編著
江水くん、冠里さんをはじめとするキャラクタが解説する業界の「入門書」。IT業界を「分かる」ために必要な「業界の知識」「会社の知識」「業務の知識」「基本の知識」を提供。
※本連載は、@IT自分戦略研究所と共同企画でお届けしています。
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