ドコモ、BlackBerry新端末で企業ユーザーへの拡販推進
NTTドコモは、スマートフォン新端末の「BlackBerry Bold」を発売する。サポートなどを強化し、企業やビジネスコンシューマーへの拡販を図る。
NTTドコモは9月29日、カナダのResearch In Motion(RIM)製のスマートフォン「BlackBerry Bold」を2009年1〜3月期に発売すると発表した。ユーザーサポートなどを強化し、中小企業や個人のビジネスマン層への拡販を狙う。
新機種は5月に米国で開催されたRIMの年次カンファレンスで発表されたBlackBerryシリーズの最上位モデル。第3世代携帯電話規格のHSDPAや第2世代規格のGSMなどに対応し、下り最大3.6Mbpsの高速データ通信サービスや国際ローミング通話/通信が利用できる。電子メールやインターネット閲覧、グループウェア連携などのビジネスアプリケーション利用に加え、新たにGPSや毎秒30コマの動画を再生できるマルチメディアプレーヤーなどを搭載する。日本市場向けには、カメラ非搭載モデルも提供する予定だ。
8月に就任したRIMの上野公明副社長は、新機種について「高速データ通信対応やパワフルなCPUの採用、マルチメディアの強化、革張りの上品なデザイン、生産性を高めるビジネス端末という5つのポイントが特徴だ」と説明した。
ドコモは、2006年秋からBlackBerry端末と企業内の業務サーバとBlackBerry端末を連携するための「BlackBerry Enterprise Server(BES)」をパッケージ化したソリューションを法人向けに提供している。今年8月からはBESを介さずにインターネット閲覧や電子メールを利用できる個人向けサービスの「ブラックベリーインターネットサービス」も開始した。
会見したドコモの山田隆持社長は、「従来は大企業や一部の個人ユーザーの利用にとどまっていた。スマートフォンを重点分野に位置付け、新機種をきっかけに広範囲をカバーするFOMAの高速データ通信網やユーザー支援策を活用しながら市場開拓を進める」と話した。
ドコモソリューションビジネス部の串間和彦部長によると、具体的な拡販策としてはBlackBerry向けのデータ定額プランの導入や、専用コールセンターでの対応、Webポータルサイトでのアプリケーションの配布、システムインテグレーターやアプリケーションベンダーとの協業強化などに着手するという。
新料金プランでは、既存のスマートフォン向けデータ定額サービス「Bizホーダイプラス」に準じた内容を予定するほか、ユーザーサポートではBlackBerry専用窓口「ドコモ・ブラックベリー・ケア」を中心に導入支援やトラブル対応に当たる。アプリケーションの流通では、AppleのiPhone向けアプリケーション販売ポータル「App Store」などに類似した形態のサービスを検討しているとみられる。
協業体制の拡充では、新規システムインテグレーターとの関係構築や、すでに海外でBlackBerry向けアプリケーションを提供するベンダーの日本法人各社と日本語化などを推進していく方針。串間氏は、BlackBerry上でSFA(営業支援)やCRM(顧客関係管理)、ワークフロー管理といったビジネスアプリケーションを利用するソリューションの展開を図る考えだが、「まずはドコモ側からアプローチしている段階」(同氏)であるという。
また、中小企業やビジネスコンシューマーへの拡販では、「電子メールやグループウェアがキラーアプリケーションになる」として、国内でのグループウェアサービスを提供するベンダーなどにBlackBerryへの対応を呼びかけていくという。
販売見通しについて、山田社長は「企業と個人の比率は7対3ぐらいになるとみている」という。RIMのドン・モリソンCOOは、「ビジネスマンも会社を出れば1人の消費者。新機種は、1台でビジネスとエンターテインメントの双方に使えるものとして日本市場に合致するだろう」と話した。
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