Vistaの壁紙、写真を撮影したのはだれ?:今日から使えるITトリビア
見た目と操作性にこだわって作られたWindows Vista。壁紙用に見本として用意されているサンプルピクチャーも、質の高い写真ばかり。そこで気になるのが、写真を撮影したカメラマンだ――。
世界のカメラマンの作品が一堂に
あなたのデスクトップは、どんな壁紙で彩られているだろうか。自分で撮影した写真画像? インターネットで見つけたお気に入りのイラスト? それとも、壁紙を使わずに落ち着いた背景色にしている? でも一番多いのは、Windowsに同梱されている壁紙用の画像を指定している人だろう。
特にWindows Vistaでは、従来バージョンに比べてはるかに美しく、品質の高い写真がたくさん含まれている(とわたしは思う)。そんなVistaの壁紙は、その多くが世界的に著名なカメラマンの作品だ。何人か紹介しよう。
まず、多くの人が壁紙に指定した経験を持っているだろうと思えるのが、プルダウンリストから「Windowsの壁紙」を選んだときに最初に表示される風景写真だろう。中国の山水画を連想させるこの作品を撮影したのは、Walter Bibikow氏。米国ボストンを拠点に活動している旅行写真家である。30年以上カメラを持って世界中を飛び回り、年間5〜6カ月は旅行中しているという。日本にもたびたび訪れているようで、彼のホームページには日本で撮影した作品も多く掲載されている。
米国オレゴン州の夕焼けの海岸を撮影したのは、クウェート人のHamad Darwish氏だ。写真と冒険が趣味の彼は、1982年生まれの26歳。現在はクウェート保健省のレントゲン技師兼ネットワーク管理者として働いているという。彼が写真に出合ったのは、米国オレゴン工科大学に在学中のこと。2004年9月にキヤノンの「PowerShot S2 IS」を購入してからだ。2005年8月に同じくキヤノンデジタル一眼レフ「EOS 20D」を入手してから、本格的に写真にのめり込んでいったという。そのわずか2カ月後の2005年10月、彼のもとにマイクロソフトのユーザーエクスペリエンスデザインチームからコンタクトがあった。それが、Windows Vistaへの写真の収録依頼だったとのこと。これをきっかけに写真家として認められていった。彼の作品もホームページに数多く掲載されている。
女性写真家、アマチュア写真家の作品も
Windows Vistaの壁紙には、女性写真家の作品も幾つか収録されている。濃橙色が美しい菊の花を撮影したのは、英国人の女性フリーカメラマン、Rosemary Calvert氏。彼女は、子どものころから花と植物を愛し、現在でも写真の仕事の多くが花と植物に関するものだというが、その作品は野生動物から風景まで幅広い。海外への撮影旅行にも頻繁に出かけており、南極や北極に行った経験もある。ホームページには、南極で撮影したコウテイペンギンの写真もある。また、撮影テクニックもTipsとして紹介されている。
竹林のテクスチャーを撮影したDana Menussi氏は、イスラエル出身の女性カメラマン。写真家のアシスタントとしてイタリアで修行を積んだのち、1994年に米国ニューヨークに拠点を移して写真家としての本格的な活動を開始した。Vistaに収録されている写真のイメージとは異なり、彼女が得意としているのはファッション系。世界的に著名な新聞や雑誌と契約しており、日本のファッション誌「VOGUE」も彼女のクライアントだという。ホームページにも、独特な雰囲気のファッションや人物の写真が多数掲載されている。
もう一点、女性カメラマンが撮影したのが、朝露に濡れた草原の写真。撮影者のDina Taylor氏は、本業のカメラマンではない。実は、マイクロソフトモバイル事業部門のプロダクトマネジャーなのだという。撮影場所も特別なところではなく、米国シアトルの郊外だ。
こちらは男性だが、魚の群れが泳ぐ写真も、マイクロソフト社員の作品だ。Gustavo Siqueira氏が撮影したこの写真は、2005年11月にブラジルの海岸で撮影されたもの。彼は、Vistaに自分の写真が採用された喜びを自分のブログに書き記している。
マイクロソフトの社員はもう1人いる。ワシントン州カスケード山脈の景勝地、エンチャントメントでキャンプ中に撮影した写真を採用されたのが、Steve Fu氏。彼は、マイクロソフトの仮想化エバンジェリスト。
プロのカメラマンの作品から、身内のマイクロソフト社員の作品までさまざまだが、いずれも美しい写真であることには違いない。それぞれの画像ファイルのプロパティを見ると、写真の撮影者が分かる。お気に入りの壁紙を撮影したカメラマンを調べてみてホームページを訪ねてみるのも、面白いだろう。
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