SQL Server「Kilimanjaro」でBI機能を強化するMicrosoft
Microsoftは、新しいBI機能を搭載したSQL Server「Kilimanjaro」のロードマップを披露した。さらに同社は、「DATAllegro」とSQL Serverを統合する計画も明らかにした。これにより、SQL Serverの拡張性が改善され、データウェアハウス環境の奥深くに入ることが可能になるという。
Microsoftはシアトルで開催された「Business Intelligence Conference」で、SQL Serverの将来計画を明らかにした。
Microsoftのデータ/プラットフォームストレージ事業部のテッド・クマート副社長はカンファレンスの基調講演で、SQL Serverでビジネスインテリジェンス(BI)機能を強化する計画を明らかにした。このSQL Serverバージョンは「Kilimanjaro」のコードネームで呼ばれ、セルフサービス方式のレポート作成機能や新しいBI機能が搭載される。このBI機能は「Project Gemini」というコードネームで呼ばれている。
Microsoftによると、Project Geminiにより、SQL Server Kilimanjaroのユーザーはデータを基にして独自のBIアプリケーションやBI資産を作成し、ポピュラーなプロダクティビティツールであるMicrosoft Office内でそれらを共有したり、共同作業をしたりできるという。KilimanjaroのGeminiコンポーネントは、パブリッシュ/コラボレーション/管理用のSharePointミッドティア、Excel上で動作するGeminiクライアントの「Self-service Data Preparation」機能、コラムベースのストレージエンジンなどで構成される。
SQL Serverビジネスインテリジェンス部門のジェネラルマネジャー、トム・ケイシー氏はeWEEKの取材に対して、「Kilimanjaroでは、エンドユーザーがExcelやSharePointで慣れ親しんだ機能を利用してリポートを作成し、それを同僚と共有してコラボレーションを進めることができる」と語った。
「これはセルフサービス型BIとナレッジマネジメント機能を結合したものだ。また、この環境はIT部門によって管理されるため、アプリケーションを通じて取得したインテリジェンスはSQL Serverに送り戻される。エンドユーザーのデスクトップ上のExcelファイルにインテリジェンスがしまい込まれたままになる、といったことはもうなくなる」(同氏)
新しいセルフサービス型リポート作成機能には、Report Builderのアップグレード版のほか、再利用コンポーネントリポジトリなどの機能が含まれる。
「この面で最も画期的な機能の1つが、複合型リポート作成機能だ。これは“グラブ&ゴー”方式のリポート作成機能で、財務責任者などのユーザーが図表を基に、必要に応じてデータをドリルダウンする機能を備えたリポートを簡単に作成できるというものだ」とケイシー氏は説明する。
SQL Server 2008は、今回の発表の約2カ月前にリリースされた。クマート氏は基調講演で、Microsoftは24〜36カ月ごとにSQL Serverのメジャーアップデートをリリースするという計画を堅持する方針であると強調した。しかしKilimanjaroは、今後12カ月以内にコミュニティー技術プレビュー(CTP)という形で提供されるという。一般向けリリースは2010年の予定だ。
この発表に引き続き、Microsoftは先ごろ買収したDATAllegroに関するロードマップも明らかにした。この技術の統合に向けた取り組みは「Madison」というコードネームで呼ばれ、Dell、Hewlett-Packard、Unisys、Bull Systems、EMCなどのハードウェアパートナーとの協業を通じてアプライアンス型のソリューションを提供するという。Madisonは12カ月以内にCTPを通じて提供され、2010年に一般向けにリリースされる予定。
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