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Ruby on Railsとエンタープライズを結び付ける「Merb」Focus on Technology(2/2 ページ)

Engine YardがWeb開発フレームワーク「Merb 1.0」をリリースした。開発担当者によると、これはRuby on Railsに似ているが、エンタープライズアプリケーションの開発に適したデザインとなっているという。

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優れたコンフィギュレーション性、モジュラー性、拡張性

 カッツ氏によると、MerbはRailsよりも高度なコンフィギュレーション性とモジュラー性を求める開発者向けにチューニングされている。またMerbでは、小規模なアプリケーションを作成する開発者が一般的なRailsタスクを実行する際のオーバーヘッドが少なくて済み、カスタマイズ性も高いという。

 ジグムントビッチ氏は次のように述べている。

 「Railsは80対20の法則によく当てはまる。アプリケーション開発の最初の80%を素早く済ますことができるが、残りの20%は悪戦苦闘しなければならない。一方、Merbは最初の80%はそれほど迅速にはいかないが、最後の20%は楽だ」

 加えて、MerbではRuby on Railsをめぐる不満の1つである拡張性の欠如という問題にも対処しているという。「Merbは効率的に拡張できる構成になっている。Railsも拡張可能だが、ハードウェアを追加する必要がある」とカッツ氏は話す。

 Gartnerのアナリスト、マーク・ドライバー氏は、Merbに関するブログ記事で、「Ruby開発コミュニティーの誰もが、Railsの拡張に伴う苦労を知っている。フレームワークとRoR(Ruby on Rails)コミュニティーが成熟するのに伴い、今後も拡張性が現実的な課題において厄介な問題になるだろう」と述べている。

 ジグムントビッチ氏は「Merbは100%オープンソースだが、その後ろにはEngine Yardという強力な企業がついている。当社の製品スタックの一部としてMerbとそのサポートを提供するつもりだ」と語る。

 さらにジグムントビッチ氏によると、Engine Yardでホスティングしているアプリケーションの95%がRailsアプリケーションで、残りの5%がMerbアプリケーションだという。

 一方、ドライバー氏は「要するに、RoR開発者、あるいはRoR開発者のマネジャーであれば、Merbを検討し、今後の動向に注目すべきだということだ。Merbを見れば、乗り換えたくなるかもしれない。たとえ今はその気にならなくても、今後1年半くらいの間に気が変わるだろう」と記している。

 Engine Yardによると、Merb 1.0の主要機能の1つである「Merb Stack」は、面倒な作業抜きで迅速な配備を行うためのジェムである。これにより、開発者は新しいアプリケーションの開発を直ちに始めることができ、自分で完全なスタックを作成するのに時間を費やさなくても済むという。またMerb 1.0は、複数の個別プロセスではなく、1つのマスタープロセス上に構築されているので、複数のMerbプロセスでメモリを共有することができる。その結果、複数のリクエストを短時間で効率的に処理し、複数のMerbプロセスをきめ細かくコントロールできるという。

 Merb 1.0のプレビュー版はこちらからダウンロードできる。Merb 1.0の最終版は、10月末にリリース予定となっている。

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