マイクロソフトは10月7日、環境への取り組みについて記者説明会を開催した。来日した米Microsoftのロブ・バーナード最高環境責任者は、自社製品の省電力対策や今後の展望を話した。
「ITはエネルギーを管理するだけでなく、二酸化炭素の排出量も減らせる」――。バーナード氏は強調する。iPodで音楽の電子配信を受ければCDのパッケージを減らせるといった例を挙げ、ソフトウェアが環境問題を解決する糸口になると説く。
同社が実践している取り組みとして、専用のソフトウェアを使った在宅勤務環境の整備を紹介した。英British Telecomは社員の40%が在宅勤務をしている。それを支えているのがMicrosoftのWeb会議やインスタントメッセージングといった在宅勤務ツールだという。
またMicrosoftでは、シアトルに簡易オフィスを設置し、自宅でインターネットが使えないなどの理由で在宅勤務ができない社員に仕事環境を提供している。同社のツールを使い、社員の出張を減らす努力もしている。
Microsoftの本社では、2007年9月から通勤用のシャトルバスが運行している。車による移動距離を減らし二酸化炭素の排出を抑制するためだ。自家用車通勤からバス通勤に切り替える社員が増え、4万キロ以上の自家用車の走行距離を削減できたという。
マイクロソフトの積極的な取り組み
米Microsoftでは、環境問題への取り組みを推進する事業部を1年前に設立した。企業のIT部門のエネルギー効率を改善することを目指し、「Reduce(削減)」「Manage(管理)」「Rethink(再考)」というコンセプトを中核に据える。
Reduceは施設の電力消費量を減らすガイダンスや教育を展開し、エネルギー効率の高い機能を使おうとすること、Manageは企業でエネルギーなどを集中管理すること、Rethinkは使用済みのPCを修理して開発途上国に配布すること――などを指す。
バーナード氏は「5〜7年以内に行動しなければ温暖化は止められない。顧客や競合の企業と共同で、ソフトウェアを生かした取り組みを行うことが大事」と力を込めた。
今後は、「Microsoft Dynamics」のERPプラットフォームを通じて、自社の資源の測定するソフトウェアを2009年1月に発表することを明らかにした。また、「Windowsの次期バージョン“Windows 7”にも、Vista以上の省電力機能を搭載する」と、環境を考慮した製品を積極的に打ち出していく姿勢を見せた。
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