MicrosoftのPDCのテーマはクラウドコンピューティング:クラウド祭りとWindows 7(2/2 ページ)
Microsoftの開発者会議の最大のテーマは、クラウドコンピューティングおよびそれをサポートするためのツールとサーバである。そのほかにも「Windows 7」「Visual Studio 2010」そしてMicrosoftの新しいモデリング技術「Oslo」などにスポットライトが当てられる。
PDCは、MicrosoftのパートナーがMicrosoftプラットフォームをベースとする(あるいはサポートする)ツールや技術を提供する機会でもある。
例えば、Compuwareは品質管理ツール「Compuware DevPartner Studio 9.0」を発表した。同社のDevPartner製品マネジャー、ダグ・キャリアー氏によると、新バージョンでは、問題解決の費用効果が最も高い開発初期の段階で、IT部門がソフトウェアのセキュリティの脆弱性、欠陥、パフォーマンス問題を診断する機能が改善されたという。
「DevPartner Studio 9.0は、Microsoft ASP.NETアプリケーションのソースコードをスキャンし、それがコードベースの奥深くに埋め込まれる前にセキュリティ問題を検出する」とキャリアー氏は話す。DevPartner Studioは、コンパイル時にアプリケーションのソースコードをスキャンすることにより、危険なコーディング手法が使われている個所をメソッドとコード行まで正確に特定することができるという。セキュリティスキャニング機能は、200項目以上に及ぶセキュリティ脆弱性および不審な挙動パターンに照らし合わせてASP.NETコードの各行をチェックする。
DevPartner Studio 9.0には、統合レポーティング機能も追加された。この機能が生成するコード品質レポートは、マネジャーやチームリーダーがWebブラウザを使って簡単に検討することができる。同社によると、重要な指標と要約された情報がレポートに示されるので、マネジャーは開発の最初の段階から最終的な品質テスト段階に至るまで、コードベースの品質と安定性を素早く把握することができるという。
キャリアー氏によると、さらにDevPartner Studio 9.0では、Microsoft Windows x64プラットフォーム上での32ビットアプリケーションの開発がサポートされた。また、各種の新しい.NET Framework技術のサポートも追加されたという。今回サポートされた技術は、Visual Studio 2008とVisual Studio Team System 2008、 Windows Server 2008、.NET Framework 3.5、Windows Presentation Foundation (WPF)、Language Integrated Query(LINQ)、ASP.NET AJAX Extensionsである。
Microsoftで開発ツールエコシステムチームのディレクターを務めるジョー・マリーニ氏は、「DevPartner StudioはMicrosoft Visual Studio 2008をサポートすることにより、開発者とテスターとの間のコミュニケーションとコラボレーションの改善を図った」と話している。
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