Googleマイマップで意図せぬ情報公開多発、「うっかり」で済めばいいが:ネットの逆流(1)(2/2 ページ)
時の流れとともにネットが進化している。だが完璧ではない。ときに逆流し、氾濫する。人々が思ってもみなかった方向にその流れが変わるかもしれないのである。
企業は慎重に利用を
小中学校の生徒の個人情報が漏れたケースでは、そこから大きな事件に発展していないのが不幸中の幸いだった。しかし一部の地域では、周辺の写真も公開されるGoogleストリートビューも提供されている。これらを組み合わせて、個人情報が悪用される可能性も多分に考えられる。
学校だけではない。すでに学習塾の生徒名簿や病院にいる患者、企業の顧客情報などが掲載された地図が閲覧可能になっている例がある。
ネット上の地図に情報を書きこんでおければ確かに便利ではあるが、危険が隣り合わせであることをユーザー側もサービス提供者側も認識し、必要なら対策を打つべきだ。Google側は「注意事項をよく読んで利用してほしい」としているが、現在の日本において、初期設定で「公開」は少々乱暴なやり方という印象は拭えない。
あらゆる場所でコンピュータが活躍している現代、小学校でパソコンやインターネットを利用した授業が実施されている。
ネットは便利だが、一方で使い方を誤れば危険なツールへと変貌する。一度ネット上に流れてしまった情報は、いかに削除したとしても、どこかで保存されている可能性がある。流出した時間ではない。ファイルであれば保存され、画像であったとしてもキャプチャが撮られて流布される可能性もある。
それをよく考えてネット上のサービスを利用する必要がある。不況の折、無料で提供されるネットサービスを利用するケースが企業でも増えてくるかもしれない。無料サービスの有効性を評価する一方で、一歩間違えれば情報漏えい、株価下落など社会的信用の失墜につながることも想定したい。「結局高くつく」かもしれないのである。
関連キーワード
Google | 地図 | 学生 | Google Apps | Google Maps | 情報流出 | Yahoo!メール | 教育機関 | Gmail | クラウドコンピューティング
関連記事
- ネットの逆流(3):ユーザーの意識改革なしにWinnyからの情報漏えいはなくならない (1/2)
ネットを通じた情報漏えいで、マスコミ報道されることが多いのがWinnyやShareなどファイル共有ソフトからのもの。なぜこうした情報流出は減らないのだろうか - ネットの逆流(2):Googleマイマップ、自動保存でリアルタイム公開の怖さ
前回取り上げた「Googleマイマップ」について、一般公開におけるさらなる危険性や限定公開にした場合にもリスクがあることなどを伝える。 - 立教大学、学生や教員3万4000人がGmailを活用
立教大学は3万4000人が活用するメールシステムにGmailを採用した。学内の認証システムの連携も図り、パスワードを変更せずにGmailを利用できるという。 - <オルタナティブ・ブログ>学校・職場でのGoogleマイマップ利用状況を至急確認!(平凡でもフルーツでもなく、、、)
- 「人任せ」の代償:Google Appsの障害が意味するもの
GoogleのGmailのサービス停止が発生する一方、Start Pageではユーザーがコンテンツにアクセスできなくなるバグがあった。これらの障害はクラウドコンピューティングに暗い陰を落とすものだ。 - 日本大学がGoogle Apps採用、学生10万人のコミュニケーション基盤に
日本大学は、約10万人の学生向けサービスとして「Google Apps Education Edition」を採用した。 - Yahoo!、Zimbraでクラウドサービスに参入――まずは教育機関向けから
グループウェア「Zimbra Collaboration Suite(ZCS)」が、教育機関向けホスティングサービス「Zimbra Hosted for Education」として提供される。 - 早大がアカデミック版Yahoo!メールを導入、卒業生も利用可能
ヤフーは、教育機関向けWebメールサービスを早稲田大学が導入すると発表した。「Yahoo!メール」のシステムを利用し、学校が指定したメールアドレスを学生、教職員、卒業生などに無償で提供する。 - Google、有料版「Google Apps」の品質保証を拡大
これまで有料版Google AppsでGmail向けに提供してきた99.99%のアップタイムSLAを、CalendarやDocsなどにも適用する。 - 雲の向こうは天国か地獄か:クラウドに賭けることができるか?
クラウドが勢いを増している。インターネットという雲にあらゆるものを置いてしまうというモデルは、特にシステム投資力の弱い中小企業にうってつけだ。ただ大企業が本格導入するには「サービス停止」というリスクの評価が必要になる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.