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神奈川で生徒11万人の個人情報流失の恐れ、事実は確認されず:仕事に使った私物PCからか
授業料徴収システムの開発協力企業のPCから、Winny経由で生徒の氏名や住所などの情報が流失した可能性があるという。
神奈川県教育委員会は11月11日、2006度に県立高校などに在籍した生徒約11万人分の個人情報や授業料徴収システムの開発データが、Winnyネットワークに漏えいした可能性があると発表した。
漏えいした可能性のある情報は、生徒の氏名や住所、電話番号、授業料振り込みのための口座情報など。県教育委員会が2006年度から運用している授業料徴収システムの開発に参加した企業から漏えいした可能性があるという。
県教育局教育財務課によると、9月12日に匿名で「インターネット上に情報が掲載されている」と通報があった。調査したところ、開発参加企業の社員が仕事で使用した私物PCにWinnyがインストールされており、Winny暴露ウイルスの感染が見つかったという。
県教育委員会からシステム開発を受託していた日本IBMは、9月15日以降24時間体制でWinnyネットワークの監視を継続しているが、該当する情報が流通している様子はないとしている。
通報から公表までに約2カ月を要したが、「すぐに発表すれば、多数のWinny利用者が該当する情報を入手しようとする恐れがあり、二次被害防止のために監視体制の準備を進めていた」(教育財務課)と説明している。
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