静電気の季節到来!――帯電体質はツラいよね:悲しき女子ヘルプデスク物語(3/3 ページ)
乾燥しがちな冬の空気。しかもオフィスでは空調によってさらに湿度が下がりがち。そうなると恐いのは――そう静電気です。PCでばちっ。プリンタでばちっ。もちろん、ドアノブでも。ああ、春よ来い。
トラウマの修理マニュアルが必要かも
ここでちょっと、電気の話を。日本のコンセントのほとんどは2極、いわゆる「豚鼻」のコンセント。実はこのコンセント、右と左とで挿す部分の長さが違っていて、少し短いほうにだけ、交流100ボルトの電圧がかかっている。長いほうは、電柱のところで地面とつながっているためびりっと感電すること
はないというわけ。このコンセントの少し短いほうの電圧(100V)と少し長いほうの電圧(0V)の差によって、電気が流れる仕組みになっている。
静電気は小さいものでも、瞬間的に数10万ボルトの電圧を持つ。つまり、交流電圧と比べてかなり大きいのだ。しかし「静」電気なので、電流値は無視できるほど小さい。だから、わたしたち人間は感電しない(指先が痛くなることはあるけど)。とはいえ、とても大きな電圧がたとえ一瞬でも精密機器の中に流れ込むのだから、通常は静電気がぱちっとなるその一瞬で、精密機器は使えなくなってしまうのだ。
さて、1時間後。祈るようにプリンタのコンセントを挿し、電源を入れてみるわたし。ぶーん……という駆動音。動いた! 良かったあ。これで「A子、静電気でプリンタを壊す」という記事が社内報の1面を飾る心配はなくなった。と同時に、わたしも新しいレーザプリンタ調達の稟議書作成を免れたのだった。
この一件以来、A子は静電気放電用のグッズを、自分が愛用しているキーホルダーに取り付け、それを触ってからプリンタに近付くようになった。トラウマになっているのかしら。そしてプリンタも、何かのトラウマにとりつかれたらしい。いや、やたら紙詰まりを起こすようになっただけなんだけどね……。新しい紙を使うと、複数枚を同時に送り込んでしまって詰まる。裏紙を利用したら、内部でクシャクシャになって詰まる。1枚、2枚の印刷ならほとんど問題は起きないけど、大量の印刷を始めたら途中で必ず詰まっちゃう。しかも気のせいか、A子の印刷ジョブが一番詰まっているような気がする。静電気がトラウマになってしまったプリンタの修理マニュアルなんてあったかしら?
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