データセンターの省エネを実現する11のベストプラクティス:上げ床の穴、センサー導入など(2/2 ページ)
ガートナーによると、11のベストプラクティスを実装すれば、データセンター管理者は年間数100キロワット時の省エネが可能になる。11のベストプラクティスを紹介しよう。
冷気、暖気を封じ込める
データセンターに冷気通路、暖気通路を適切に配置できたら、次は冷気や暖気を封じ込め、冷房効率を劇的に改善するというオプションが用意されている。ほとんどのユーザーにとって、暖気と冷気を遮断することは、あらゆる省エネベストプラクティスの中でも最も効果的な手法だ。
データセンターの温度を上げる
多くのデータセンターは効果的な水準以上に低い設定温度で稼働している。ASHRAE(米加熱冷凍エアコンディショニング工学会)は、供給サイドの許容最高温度を華氏77度から80度に変更した。すべてのデータセンターがこの温度範囲の上限で稼働しなければならないわけではないが、段階的に75度ないし76度の範囲まで温度を上げれば、電力消費の削減に大きな効果を上げるだろう。
可変速ファンとポンプを導入する
従来型のCRAC/CRAHユニットは固定速度の送風ファンを搭載しているが、ベストプラクティスは可能な限り可変速のファンを利用することを推奨している。送風ファンの速度を10%下げれば約27%の省エネになり、20%下げればファンの電力消費を約49%抑えることができる。
”自然冷房”を活用する
自然冷房というのは、冷房や冷却装置を用いずに外気で室内温度を下げるテクニック全般のことだ。最も一般的な2つの手法は、空気と水を利用したエコノマイザーがある。省エネ効果はその地域の気象条件により異なり、年間100時間から8000時間の範囲で利用することができる。
モジュラ冷却データセンターを設計する
従来の上げ床式冷気分配システムは、長い間、データセンターの冷却に一般的に用いられてきた手法だ。ところがデータセンターの冷却戦略においては、じつはモジュラ型冷却(列、ラック単位)のほうが、よりエネルギー効率の高いことがしだいに明らかになりつつある。
本レポート「How to Save a Million Kilowatt Hours in Your Data Center」(定価195ドル)はGartner Webサイトで入手できる。
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