イノベーションに求められる企業情報基盤
去る11月18日、六本木アカデミーヒルズ40にて日立製作所のソリューションを紹介するOpen Middleware World 2008 Autumn Cosminexus Dayが開催された。当日は日立製作所の統合情報基盤「Cosminexus」が牽引するイノベーションについて、多数のセミナーが催された。
去る11月18日、六本木アカデミーヒルズ40にて日立製作所のソリューションを紹介するOpen Middleware World 2008 Autumn Cosminexus Dayが開催された。挨拶に登壇した日立製作所 ソフトウェア事業部 事業部長の中村孝男氏は、現在の企業を取り巻く多様な課題を解決するには、イノベーションの創出の必要性があると述べた。それには必ずしも技術革新や特殊能力を持った個人が求められるのではなく、企業内のノウハウを活用し、人と知識を結びつけることが重要であるとし、これからのITには企業内の知を生かせる基盤となることが必要だと語った。
日立製作所では、Cosminexusをこのようなイノベーションを支えるものとして位置づけている。ソフトウェア事業部アプリケーション基盤ソフトウェア本部本部長の林重年氏は、企業が成長していくための課題として知識創造を挙げ、利益を上げている企業ほど知識活動への意識が強いという現状を報告した。林氏は「企業の成長に求められるのは技術革新だけではない。知識、経験の連鎖がイノベーションを生み出す」と述べ、知識成長のためのメカニズムを作ったうえで、行動を実践することが重要であると語った。
それには人とITの両方による取り組みが求められるという。まず、これまで暗黙知として個人に蓄積されてきた知識やノウハウを言語化することで、形式知として利用できるシステムを作ることができる。これには業務ポータルやSNS、FAQの整備、ビジネスプロセスの可視化など、ITによる支援が重要となる。このように得られた形式知は、人と人の間で共有することにより、さらに知識・ノウハウを深めることができる。Cosminexusはこれを「SOAプラットフォーム」と「コミュニティ」として捉え、イノベーションの創出に貢献するという。
SOAプラットフォームとしては、業務フローの可視化やシチュエーションやユーザーのスキルに応じたナビゲーションなどでノウハウの活用を支援する。また、ITシステム構築の標準化を進めることで実装を高速化し、変化に対応できるビジネススピードを実現するという。一方、コミュニティの取り組みとしては、標準化の動向やITシステム事例の研究を進めることで、獲得された知識の進化を支援するとのことだ。日立製作所の今後の取り組みを見ていきたい。
関連記事
- Cosminexus V8 Review:Webアプリの開発は、デバッグ含めワンストップで――MyEclipse
エンタープライズ向けのWebアプリケーション開発では、生産性向上や品質向上に寄与する取り組みや最新技術の採用など、開発環境に求められる要件は多岐にわたる。CosminexusではMyEclipse環境を中心に開発者の要求に応える。 - HITACHI Open Middleware World 2008 Autumn Report:仮想化時代に求められる運用管理の手法とは
11月17日、日立製作所の最新ITソリューションを紹介する「Open Middleware World 2008 Autumn」が開幕した。同社の運用管理ソフトウェアである「JP1」およびアプリケーションプラットフォーム「Cosminexus」の最新機能を中心に、事例や展示を織り交ぜた総合的なソリューション紹介が行われている。 - Cosminexus V8 Review:サーバダウンは起こるもの。だがユーザーには迷惑をかけない!
Webシステムを安定稼働させるための課題は、メモリ管理方式だけではない。想定外のリクエスト集中でもシステムを止めない工夫や、部分障害の全体波及を食い止めたり,障害の兆しを検知して先手を打ったりする必要がある。 - Cosminexus V8 Review:Javaの「Stop The World」を回避する現実解
Webシステムの停止をもたらすFull GCを防ぐ手法、それは「長時間使うインスタンス専用の特別な管理領域を持つ」というものである。 - Cosminexus V8 Review:時間よ、止まるな!――Javaにおけるメモリ管理という課題
運用現場で悩みのタネになっているのが、突然発生するJavaアプリケーションの“Stop The World(一定時間応答のない状態)”である。解決の方法はあるのだろうか? - 日立ソフト、社内営業情報システムをSOAで構築 複数システムの連携が実現
SalesforceなどのシステムをSOAで連携し、散在していた営業情報を有効活用できるシステムを日立ソフトが構築した。SOA基盤には、日立の「uCosminexus Service Platform」を活用した。 - Cosminexus V8 Review:ユーザー側からの業務カイゼンを促がすSOA基盤
Cosminexus(コズミネクサス)とは日立が提供するWebアプリケーションサーバやSOA基盤を総称するブランド名だ。先日発表されたV8で強化されたポイントを詳解する。 - AdminIT Daily News:現場知とシステムの融合がコンセプト――日立「Cosminexus V8」
日立は10月2日、同社のSOA基盤製品「Cosminexus」の最新版を発表した。これまで属人的だったノウハウとシステムの融合を通じ、システム構築の“工業化”を図る。 - NEWSアシスト、IT統制に必須となる申請・承認データの突き合わせ作業を自動化するソリューション
アシストの「監査れポータル」に日立の「Cosminexus電子フォームワークフロー」を組み合わせた「申請・承認データ突合せソリューション」を販売。内部統制にかかわる申請・承認データを取得し、申請外の行動がないかを自動的にチェックできる。 - 日立のCosminexus、情報基盤強化税制の優遇対象製品に認定
日立製作所はCosminexusが「連携プログラム技術評価制度」において初めての適合製品に認定されたと発表した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.