日立ソフト、社内営業情報システムをSOAで構築 複数システムの連携が実現
SalesforceなどのシステムをSOAで連携し、散在していた営業情報を有効活用できるシステムを日立ソフトが構築した。SOA基盤には、日立の「uCosminexus Service Platform」を活用した。
日立ソフトウェアエンジニアリングは10月15日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいて、社内の営業情報システムを構築したと発表した。
構築したシステムは、営業支援に活用しているセールスフォース・ドットコムのCRM(顧客関係管理)製品「Salesforce」など複数のシステムを、SOA基盤上で連携したもの。複数のシステムに散在していた営業情報を業務プロセスごとに引き出し、ダッシュボードに表示できるようになった。案件や出入金の状況をリアルタイムに参照でき、間接業務のコストも削減できる。
SOA基盤には、日立製作所の業務プロセス統合基盤製品「uCosminexus Service Platform」を採用。業務プロセスを管理し、各種サービスを連携するESB(エンタープライズサービスバス)としての役割を担う。Salesforceなどのシステムの連携には、日立のアプリケーションサーバ「uCosminexus Application Server」を用いた。
システム統合は10月に完了。要した期間は6カ月だった。開発には、業務フローの作成、システム化の設計、実装・テスト、アプリケーションのレビューとフィードバック――という一連の流れを反復する手法を採用した。営業プロセスの分析や業務フローの策定には、IDSシェアー・ジャパンの「ARIS SOA Architect」を活用している。
同システムは、契約までの営業プロセスを対象とする。今後は入金プロセスまでを扱い、ERPやプロジェクト管理システムとの統合も図っていく。
日立ソフトは今回のシステム構築のノウハウを集め、コンサルティングサービスや製品として提供することも計画している。サービスの第1弾として、顧客企業のSOAの導入を支援する「SOAシステム化コンサルテーション」を整備した。
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