競争を勝ち抜くアウトソーシングの効果的な利用法:Accenture View(3/3 ページ)
アウトソーシングは日本国内にも急速に定着し始めています。人材不足に直面する日本企業の経営幹部が、専門性の高いスキルを備えた外部スタッフによって自社の労働力を補う手段としてとらえています。
アウトソーシングの付加価値として
企業の経営幹部は、戦略的アウトソーシングの成果として、有能な人材の活用やコスト削減の他にも、以下のようなメリットが得られることを理解しています。
品質の標準化
企業はアウトソーシングを通して、より効果的にプロセスの品質を確保することが可能です。アクセンチュアはアウトソーシングを導入する際、顧客が一定レベルの品質を常に維持するために必要とされるリソースの量を正確に算出することができるよう支援します。この品質レベルは、顧客企業とアクセンチュアが締結するサービス・レベル・アグリーメント(SLA)に記載され、予定されたコストでどの程度の品質レベルが可能かを早期に把握する上での判断材料となります。
優先順位の高いビジネスケイパビリティに注力
ITや財務、人事などのビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)により、社員の生産性が一段と向上するだけでなく、社員が専門領域の改善や、新たな技術の習得に取り組むことが可能となります。
市場投入に要する期間短縮など、戦略目標の実現に貢献
アウトソーシングは、企業が24時間365日休みなく業務を稼働させ、出荷や納品を迅速に行い、機能豊富な製品をどの競合他社よりも早期に市場投入することを可能にします。実績あるアウトソーシングプロバイダーと提携することで、新興国や新しい市場への参入、新規販売チャネルの開拓、革新的なサービスの導入等を、コスト効率よく簡便に実行できるのです。
戦略的なアプローチによるアウトソーシングは、グローバル化を進める日本企業に新たな競争力をもたらし、差別化を実現するための切り札となります。
競争力を高める差別化のためのアウトソーシング
ハイパフォーマンスの実現を目指す日本企業、とりわけ世界展開を積極的に進める日本企業の多くは、製品の供給、成長を目指した取り組み、サービス内容の改革において万全を期す必要があります。そのための第一歩として考えられるのが、アウトソーシングを有効に活用してIT部門や重要なビジネスプロセスに変革をもたらすことです。これらが改善され、低コスト、低リスクでありながら高い信頼性を備え、機能するようになれば、企業全体の戦略目標を実現する上で大きな役割を果たすことになるでしょう。
著者プロフィール:マイケル・ハイドマン Accenture 通信・ハイテク本部 アウトソーシング担当 シニア・エグゼクティブ
システム・インテグレーションやアプリケーション・アウトソーシング、ビジネスプロセス・アウトソーシングの分野を中心に活動。入社前は北米でアウトソーシング業務に携わった。過去20年以上多国籍企業に対し、新たなビジネスモデルとして、業務改革やコスト削減を実現するアウトソーシングを提案し、成功に導いてきた。米オレゴン州立大学の工学部を卒業後、フェアリー ・ディキンソン大学でMBAを取得。現在、ボランティア団体 「ハンズオン東京(HOT)」の役員を務める。
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