グーグル、新社長にソニー出身の辻野氏が就任:村上憲郎氏は名誉会長に
グーグルで執行役員製品企画本部長を務める辻野晃一郎氏が2009年1月1日付で代表取締役社長に就任する。日本でビジネスの基盤を築いてきた現社長の村上憲郎氏は、健康上の理由などから名誉会長に就任する。
グーグルは12月9日、執行役員製品企画本部長の辻野晃一郎氏が2009年1月1日付で代表取締役社長に就任することを明らかにした。現社長の村上憲郎氏は名誉会長に就任する。
社長交代の背景としてグーグルは、「パートナー企業にも恵まれ、日本市場におけるシェアも拡大してきた。村上社長のもと、日本におけるビジネスの基礎はできた」(広報)と説明。村上氏の健康上の理由などもあり、社長交代の人事を進めていた。
辻野氏を選んだ理由として、「グーグルでプロダクトのマネジメントを手掛けてきたことや、前職でグローバルブランドを率いてきた経験を評価した」(同)。
グーグルによると、村上氏は社長交代に対し「前職を含め、ビジネス経験も豊富で、グーグルの日本における成長の新しい段階を切り開く人材として選任した。皆様の期待に沿う活躍をすると確信している。既にわたしが自宅で療養しているここ数カ月、実質的な社長代行を果たしてきた」とコメントしているという。
辻野氏は1957年生まれ。1984年に慶應義塾大学大学院工学研究科を修了後、同年にソニーに入社。ソニーではVAIO PC事業創業期の事業責任者を務めたほか、ホームビデオ、パーソナルオーディオなどのカンパニープレジデントを歴任した。1988年にカリフォルニア工科大学大学院電気工学科を修了し、2007年にグーグルに入社した。グーグルでは執行役員製品企画本部長として、日本でグーグル製品全般を統括していた。
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