2020年はモバイルインターネットが主流に――調査リポート:スマートフォンが機軸に
Pew Centerの調査によると、2020年までに携帯電話が主要なインターネットアクセス手段になるようだ。音声認識やタッチスクリーンなどの機能も普及が拡大するという。
Pew Internet & American Life Projectの調査によると、2020年までに技術志向のコンシューマーの間では携帯電話が主要なインターネットアクセス手段になり、タッチスクリーンインタフェースや音声認識などの技術も普及が拡大する見込みだ。
また同社のリポートは、仕事と個人生活との間の境界線がますますぼやける(今日の世界と比べて両者の違いが小さくなる)と予想している。そして、「BlackBerry中毒」のユーザーが街中にあふれ、24時間のニュース配信サイトがWebに常時接続した人々の注目を常に引き付けようとするという。
この調査では、578人のインターネット上の著名人、開発者、コメンテーターを含む合計1196人の回答者に将来の展望について質問した。回答者の予想によると、全世界の通信事業者の間で携帯電話の規格とプロトコルの共通化が進み、海外でも携帯電話が手軽に使えるようになるという。
中堅・中小企業(SMB)の経営者にとって、この調査の結果はモバイルインフラの国際化・柔軟化により、国際的な取引と事業拡大が容易になることを意味する。また調査によると、2020年までに携帯端末やスマートフォンは強力なコンピューティング能力を備えるようになる見込みだ。こういったデバイスからのWebアクセスの普及により、SMBの経営者がいつでもどこでも自社の取引状況の情報にアクセスできるようになるだろう。
ペンシルベニア州立大学情報科学技術学部のスティーブ・ソーヤー准教授は「仕事と家庭のバランスという名目の下で、企業による従業員の時間のコントロールは今や、従業員がいつ仕事をしていて、いつ休んでいるかを細かく監視するという段階にまで拡大した」と指摘する。「企業城下町から“企業による時間管理”へと変わり、仕事時間がほかのすべての時間利用を支配するようになった」
さらに今回の調査によると、スケジュールに基づく活動を除けば、多くの従業員の生活で仕事と余暇がシームレスに結び付くとしている。Pewでは、この状況は全体として人々にとってプラスになると考えている。コミュニケーションの柔軟性が高まることで、人々は要請を受ければ、自分がどこにいようとも(家、フィットネスジム、ショッピングモール、図書館、仮想現実形式で存在する会社の集会所など)、個人的あるいは職業的任務を果たせるようになるからだ。回答者の過半数(56%)は、2020年には「仕事の時間と個人的な時間の間の区切りがほとんどなくなるが、問題はない」という見方に賛成している。
しかしこの見方に賛同しない人もいた。回答者の1人で、オックスフォード大学インターネット研究所で大学院研究ディレクター兼ポリシー/調査担当官を務めるビクトリア・ナッシュ氏は「その結果は、非効率な長時間労働とストレスの多い家庭生活ということになりそうだ」と話している。
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