米Novell、EULAを廃止した「openSUSE 11.1」リリース
openSUSEの最新版となる11.1がリリースされた。クリックスルーでのEULAが廃止されたほか、プリンタ、ディスクパーティーショニング、セキュリティなどのモジュールが一新されている。
米Novellは米国時間の12月18日、オープンソースのLinuxディストリビューション最新版「openSUSE 11.1」を発表した。自社コラボレーションシステム「openSUSE Build Service 1.0」を利用して開発した初のバージョンとなり、プロジェクトにとって重要なマイルストーンとしている。
Linuxカーネルは2.6.27.7を採用し、デスクトップ環境はKDE 4.1.3またはGNOME 2.24.1を利用できる。KDEとGNOMEはいずれも最新版で、KDEでは3.5.10もサポートした。
最新版では、合計230以上の新機能を盛り込んだ。システム管理/インストールスイートの「YaST」では、プリンタ、ディスクパーティーショニング、セキュリティなどのモジュールが一新されたという。
「OpenOffice.org 3.0 Novell Edition」「Firefox 3.0.4」など、各種ソフトウェアの最新版を搭載した。中でも、OpenOffice.org 3.0 Novell Editionでは、ODF 1.2をサポートし、米MicrosoftのOOXML形式のファイルの読み込みが可能という。
このほか、Sun Javaの代わりに「openJDK」を採用、開発環境は「Mono 2.0.1」「Eclipse 3.4」「KDevelop 3.5.3」をサポートした。ユーティリティzypper/libzyppを改善し、ソフトウェア管理も強化した。
最新版は、Linuxパッケージ/ソリューションを協調的に開発できるコラボレーションシステムのopenSUSE Build Serviceを利用して開発した初のバージョン。また、エンドユーザーライセンス契約(EULA)を廃止し、容易に再配布できるようにした。これにより、DVDには自由に配布できるアプリケーションのみを含み、プロプライエタリなアプリケーションやドライバなどは、別途ダウンロードすることになる。
x86(32ビットと64ビット)、PowerPCに対応する。KDEまたはGNOMEを同梱したライブCDも提供される。
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