シマンテック、アーカイブソフトの「Enterprise Vault」最新版を発表:運用改善や訴訟対応などを強化
シマンテックは、ストレージ利用の削減や訴訟対応などの機能を強化した電子メール/コンテンツアーカイブ製品の最新版を発表した。
シマンテックは1月13日、電子メール/コンテンツアーカイブ製品の最新版となる「Symantec Enterprise Vault 8.0」(EV)を発表した。ストレージ利用の効率化や操作性の改善、訴訟対応への機能などを強化した。
EVは、電子メール全体を対象とする「ジャーナルアーカイブ」や個別のメールボックスのアーカイブ、ファイルシステムのアーカイブのほか、アーカイブデータの検索、ライフサイクルに基づいたアーカイブデータの管理などができる。
最新版では、「Optimized Single Instance Storage」という技術の採用で各種アーカイブデータを共有管理し、重複データの排除などアーカイブストレージを効率的に利用できるようにした。Windows Updateなどで使用するBackground Intelligent Transfer Serviceに対応して、アーカイブデータへのアクセスを迅速にできるようにした。
訴訟対応では、民事訴訟などでの電子的な証拠開示請求(e-Discovery)に対して、適切なデータの抽出や開示プロセスを管理するツール「Discovery Accelerator 8.0」を提供する。また、電子メールの利用状況を社内監査する場合に監査プロセスを管理するツール「Compliance Accelerator 8.0」も用意する。このほか、導入を用意にするセットウィザードや管理者向けに一般的な操作内容をまとめた「共通タスクダッシュボード」を新たに搭載した。
EV 8.0からライセンス体系を変更し、利用目的ごとに機能をパッケージ化した「ストレージ管理」「e-Discovery」「ファイルアーカイビング」「SharePointアーカイブ」の4種類を導入した。価格はいずれもオープンで、参考価格はストレージ管理が約660万円(1000ユーザー時)、e-Discoveryが約600万円(同)となる。既存ユーザーがEV 8.0から機能拡張などをする場合は個別相談になる。
プロダクトマーケティングマネジャーの金野隆氏は、「アーカイビングに関する運用や管理、システムなどのコストを削減するだけでなく、保管したデータの効率的な利用を実現する」と、新製品の特徴を説明した。
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