IBM Lotusphere、キーワードは「クラウド」と「新規顧客獲得」とMSバッシング:Lotusphere 2009を予測(2/2 ページ)
1月18〜22日にわたって開催される第16回年次「IBM Lotusphere」カンファレンスでは、クラウドコンピューティングがメインテーマになる。「IBM Bluehouse」(エクストラネット型SaaSサービス)、「Lotus Notes 8.5」、Mac用Lotus Symphony、アプリケーション開発者向けのWeb 2.0指向のウィジェット/マッシュアップなどに関する発表もある。
クラウドコンピューティング、新規顧客、パートナーに関する発表
IBMは昨年の「Lotusphere 2008」でBluehouseを発表した。その時点では製品の形態が明確ではなかったが、BluehouseがIBMのクラウド進出戦略の重要コンポーネントと位置付けられていることが明らかになった。Bluehouseは現在、β版として一般に公開されているが、IBMが同スイートから「β」というタグを外す可能性が高い。しかしキャバノー氏は、LotusphereでIBMが同ソフトウェアに関して何を発表するかを明らかにはしなかった。
シャドラー氏がeWEEKに語ったところによると、Bluehouseは別として、今年のLotusphereでのIBMのクラウドに対するアプローチは、昨年1年間を通じた同社のアプローチと一貫性があるという。「“クラウドであれ何であれ、われわれはユーザーが望む形で製品を提供するつもりだ”とIBMは言っているのだ」と同氏は話す。
Lotusphereでは、IBM Lotus NotesソフトウェアとSAPのBusiness Suiteを連携した共同ソフトウェア製品である「Atlantic」のアップグレードに関する発表も予定されている。今回のアップデートでは、エンタープライズアプリケーション向けのコラボレーションツールが改善された。
IBMは、Lotus Notesで獲得した主要な新規顧客も紹介する予定だ。キャバノー氏によると、Coca-Cola Company(瓶詰め会社のCoca-Cola Enterprisesは、Microsoft Exchangeを採用している)、Nationwide、Global Hyattなどの新規顧客が、この過去3四半期におけるLotusソフトウェア部門の平均16%の成長に貢献したという。
さらにキャバノー氏によると、IBMは新たなパートナーシップも発表するという。その中には、IBMウォッチャーが予想もしないような企業との提携も含まれるという。「例えば、最近リリースしたLotus 8.5は、LinuxおよびWindowsの両OSのサポートに加え、当初からMacにも対応していた」と同氏は指摘する。
Lotusは今後、さらにMacにフレンドリーになるものと期待される。キャバノー氏は、Lotus Notesでは、ウィジェットやマッシュアップを活用するなど、Web 2.0への対応が改善されることも示唆した。
カンファレンスでは、ほかにも発表があるようだ。シャドラー氏によると、IBMが10億ドルの資金を投入して3年計画で進めている「UCC」(ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション)プロジェクトが実を結び始めているという。このプロジェクトは、IBMの電子メール製品のLotus NotesおよびIM(インスタントメッセージング)/音声/ビデオコミュニケーション製品のLotus Sametimeを、各種のリアルタイムコラボレーションツールと組み合わせるというもの。
「Sametimeは以前よりも機能が豊富になった。プレゼンス機能では、相手がオンラインかどうかを確認するだけでなく、相手が建物内のどこにいるかを見つけることができる。相手の携帯端末経由での居場所確認も可能になった」とシャドラー氏は語る。
現在の景気後退状況を考えれば、IBMはMicrosoft製品の代替としてLotusソフトウェアのコストメリットも強調するものとみられる。そこでもクラウドコンピューティングというテーマが大きく取り上げられるもようだ。
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