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「SaaS/クラウドなら安く上がる」は早計、LotusLiveの真価とは?Lotusphere 2009 Orlando Report(1/2 ページ)

1月20日朝、フロリダ州オーランドの「Lotusphere 2009」は2日目を迎え、「LotusLive」の詳細が語られた。SaaSなら安く上がると考えるのは早計で、むしろ、LotusLiveならば、組織の境界を超えてコラボレーションしたり、新興企業でも手軽に活用できる点を評価すべきだ。

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ビジネス開発とオンラインサービスを担当するショーン・ポーリー副社長

 米国時間の1月20日朝、フロリダ州オーランドのウォルトディズニーワールドで開催されている「Lotusphere 2009」カンファレンスは2日目を迎え、午前の基調講演で同社初のクラウドサービス、「LotusLive」の詳細が語られた。同サービスは、昨年のLotusphereで「Bluehouse」のコードネームで発表され、10月からβテストが行われている。

 LotusLiveは、同社がオンプレミス型で販売する一連のコラボレーション製品をパッケージし直し、オンデマンド型で提供するもの。Webミーティングにコラボレーション機能を組み合わせた「LotusLive Engage」のほか、ファイル共有やアクティビティ管理、オンラインチャットの「LotusLive Connections」、音声/ビデオカンファレンスの「LotusLive Meetings」、Notesメールの「LotusLive Notes」、Webメールの「LotusLive iNotes」などが、順次提供される。

 LotusLiveを担当するショーン・ポーリー副社長は、「社内ではリッチなコラボレーションツールが使えるが、ファイアウォールを超えて、ほかの企業や顧客とどうコラボレーションすればいいのか? 専任のITスタッフがいない新興企業はどうすればいいのか? そうした問いに答えるのがLotusLiveだ」と話す。

 Lotusphereの初日には、salesforce.comやLinkedIn、Skypeとの提携が発表されているが、コンテントプロバイダーや伝統的なISVとの提携も視野にあり、サービスをつなぐAPIも公開に向けて準備中という。特定の領域に経験があるISVのサービスとインテグレーションされたLotusLiveは、サードパーティーのブランドで提供されることも想定している。

組織の境界を超えてコラボレーション


「求めていたのはLotusLive」と話すNortelのキーベル氏

 ポーリー氏は、実際にLotusLiveのβサービス(コードネーム:Bluehouse)を使い、組織の境界を超えたリッチなコラボレーションを実現したり、専任のITスタッフがいなくても手軽にLotusのコラボレーション機能を活用する顧客らを基調講演のステージに招き上げた。

 IBMのパートナーでもあるNortelで中堅・中小企業向けにソリューションを開発するトム・キーベル マネジャーは、IBMと彼のチームが一緒にソリューション開発を進める中でさまざまな不満を感じていたという。

 「電話会議は参加者がなかなかそろわず、15分過ぎても始まらない。ようやく始まっても、参照しているドキュメントのバージョンがばらばら。そんなとき、IBMからLotusLiveのデモを見せられ、われわれが求めているツールだと思った。すぐに時間を節約でき、生産性も上がったし、ドキュメントの変更もLotusLiveならチーム全員で把握できる」とキーベル氏は話す。


画面左端にLotusLiveのサービスを組み込んだNotesのデスクトップ。ファイルをドラッグ&ドロップでLotusLiveのサービスに移せるなど、操作性もいい

 もちろんNortelのような大企業であれば、既にコラボレーション環境がある。基調講演では、左の画面写真のように社内で導入・運用されているLotus NotesとLotusLiveをデスクトップ上で組み合わせ、組織の境界を超えたコラボレーションを実現するデモも行われた。クラウドサービスが社内システムの延長にある、まさに「Click-to-Cloud」の世界だ。

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