凸版、ポイントとCRMを連携 値引きにとどまらない販促支援:SaaSで導入コスト削減も
凸版印刷は2月16日、CRMとポイントサービスを連動した「POINT CROSS」を3月に販売する。商品の購買/ポイントの使用状況を分析し、新たな販売促進サービスを提案する。
凸版印刷は2月16日、CRM(顧客関係管理)とポイントサービスを連動した「POINT CROSS」の販売を3月に開始すると発表した。顧客情報とポイントを結び付け、ポイントによる値引きだけにとどまらないサービスの展開を目指し、飲食業や量販店などに売り込む。
POINT CROSSは、ポイントシステムの運営会社や導入店舗から会員の属性や購買履歴などの情報を受け取り、顧客データの管理や分析を実施。その結果を基に、日付や店舗を限定した抽選キャンペーンや、獲得したポイントに応じた特典の付与、会員へのクーポンメール、ほかのポイント事業者とのポイント交換といった販売促進の手法を立案する。
同サービスは、富士通エフ・アイ・ピーが開発した「SaaS型 ポイントサービス」と凸版印刷のCRMを連携したもの。富士通エフ・アイ・ピーが運営するポイントシステムを導入している店舗が対象になる。SaaS(サービスとしてのソフトウェア)形式で提供するため、これらの機能をネットワーク経由でサービスとして利用できる。
従来のポイントサービスは、値引きやポイントの運用管理という仕組みを提供する側面が強く、顧客情報を使った販売促進につなげにくかった。POINT CROSSはCRMを使って顧客が消費したポイントを管理・分析できるため、既存の顧客により上位の商品を購入してもらうアップセルといった販売促進につなげられる。
価格は、ポイントサービスが月額20万円から。CRMサービスが月額30万円から。10社への導入を目指し、関連するサービスを含めて2009年度に10億円の売り上げを見込む。
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