米IBMは3月4日、仮想世界と統合コミュニケーション・コラボレーションツールを統合した企業向け会議ソフトウェア「Sametime 3D」を発表した。
Sametime 3Dでは、インスタントメッセージング(IM)や音声チャットでやりとりするだけでなく、仮想世界に設置したセキュアな会議スペースで、3次元の製品モデルやアプリケーションのアイデアをプレゼンしたり、セミナーを開催したりすることが可能。
新ツールは、物理的に離れた場所で作業する人々同士が、定期的に仮想世界で顔を合わせ、意見交換できる場を提供するのが狙い。Sametime 3Dでは、ユーザーは既存のプレゼンやIMのツール、セキュリティシステムを使うことができる。会議室は利用のたびに設置する必要はなく、IBMが目的に合わせて設定した会議室を再利用する。また一般的に仮想世界では公共の場でのプライバシーは保持しにくいが、Sametime 3Dの会議室はセキュリティを完備、情報漏えいの心配がないという。
将来的には、会議の進行を文書化したリポートを回覧する機能など、さまざまな機能を盛り込んでいく計画だ。
現時点では、IBMのLotus Services利用企業に限り、招待制で利用できる。2009年下半期に正式な提供を開始する予定で、IBM Lotus Sametimeのバージョン8.0と、専用プラグインが必要となる。Sametime 3Dは、OpenSimやSecond Lifeなど主要な仮想世界で利用できる。
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