シマンテック傘下のメッセージラボ ジャパンは4月10日、3月のセキュリティ動向リポートを発表した。悪質サイトの検出数が前月に比べて3倍に増加したという。
メールを媒介にしたマルウェア攻撃では、悪質サイトへのリンクを含むスパムの割合が2008年6月の16.5%から3月は20.3%に増加した。同社によれば、スパムメールを使った攻撃が集中的に行われる中で、3月はWebを使う攻撃にも注目されるようになった。
悪質サイトを使う攻撃では、旧式のブラウザの脆弱性を悪用する狙いで画像のバイナリコードの末尾にスクリプトを埋め込み、偽のオンライン広告を通じて金銭的な利益を得ようとする。攻撃目的の画像をホスティングしているサイトは、無償サービスのものが多く、今後はソーシャルネットワーキングサービスやマルティメディアデータを共有できるサイトにも広がる可能性があるという。
同社では、スパムに記載されたリンクをユーザーがクリックしてデータを閲覧するだけでマルウェアに感染し、個人情報などが盗まれる恐れがあると指摘している。
このほか、1〜3月期には世界的な景気後退に便乗するスパムも目立った。また、資金繰りに行き詰まった個人が企業へ援助を求めるメールが増加したという。同社では、今後数カ月間に寄付を求めるような従来とは異なる手法のスパムが広がる可能性があると予測している。
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