トリセツ読まなきゃ……。:悲しき女子ヘルプデスク物語(4/4 ページ)
いくら面倒だからって、ちゃんとトリセツを読まないと、一生知らないままの機能だってあるのよね。わたしも立場上、ヒトに教えなきゃいけないこともあるし。ああ、説明書から逃れたい……。
トリセツからは逃げられない……
後日談ではあるが、Iさんはメモ帳で作れない書類はすべてExcelで作っていたらしい。Excelは表計算ソフトだから、グラフなどを作るときに便利だから、ではなく、Word が嫌いな彼は、普通のビジネス文書もすべてExcelで作っていたのだという。Excelを使うほどではない、と彼が判断したものは「メモ帳」なのだそうだ。彼なりにルールがあって、メモ帳とExcelを使い分けていたということ。行内での右寄せや中央添えといったビジネス文書を作るのに欠かせない数多くの機能があるわけじゃないのに、やたらがんばって、みばえの良い文書をExcelで作っていたのだ。ある意味、尊敬しちゃう。
周りに聞いてみると、意外なことにもそんな人がとっても多い事実を知り、ガクゼンとするわたし。Excelを簡易DTPソフトとして使っている、という人が少なからずいるのだ。しかも、比較的年配の方に多い。達人になると、Wordで段組みやレイアウト枠を使って作成する文書よりも、はるかに表現力のある文書を、いとも簡単に作ってしまう。1、2ページ程度の文書であれば、Excelで作るほうがいいのでは? と思えるほど。「慣れ」というのはスゴいのね。脱帽です。
「ちょっと休憩」のつもりだったけど、意外な事実を知ってショックを受けたわたし。やっとのこと(?)で自分のデスクへ戻ってきた。デスクにはあの「全部入り」ケータイが置いてある。パソコンはなんでもできるから、ある意味では「全部入り」かもしれない。でも「できる」のはアプリケーションのおかげであって、しかもアプリケーションごとに「できること」と「できないこと」が存在し、それぞれに役割がある――。
あ、そうか! Iさんたちは正しい学習をしていないから、なんでも「メモ帳」か「Excel」にやらせてしまうんだわ。やっぱり、ちゃんとしたトレーニングが必要よね。そのためにはちゃんとしたテキストを……。え、テキスト? つまり、トリセツってこと……?
ああ、やっぱり、トリセツは読まないといけないのね……。人のことばかり言えないわ、わたし。
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