監視カメラにもオープン化の波を――AxisのCEO
ネットワークカメラ大手のAxisのモーリッソンCEOが来日し、IPやHD映像技術を採用したオープンな監視カメラシステムの普及を訴求した。
ネットワークカメラシステムのアクシスコミュニケーションズは5月27日、都内で記者会見を開き、監視カメラ市場におけるネットワークカメラシステムのメリットについて説明した。併せてカメラおよびビデオエンコーダの新製品を発表した。
ネットワークカメラシステムは、汎用的なIP技術をベースにすることで、コンピュータ機器との親和性の高さや、柔軟なアプリケーション環境を構築できるといった特徴がある。従来の監視カメラシステムは、CCTV(Closed Circuit Television)とも呼ばれ、監視用途を中心に独自のネットワーク構成によって構築されるのが一般的だ。
Axis Communicationsのレイ・モーリッソンCEOは、「監視カメラ市場におけるネットワークカメラシステムの普及率は20%程度。2012年には2007年比で5倍の規模に成長するだろう」と話した。特に高精細(HD)映像や動画圧縮符号化方式H.264の普及、ネットワークカメラベンダー59社が参加する任意団体「ONVIF」でのAPI標準化の取り組みなどによって、CCTVからネットワークカメラシステムへの移行が加速されるという。
4月には国内法人社長に前ポリコムジャパン社長の奥田智巳氏を起用し、新体制を発足。奥田氏は、従来からの販売体制を維持しつつ、開発パートナーとの連携強化やONVIFを中心としたマルチベンダー環境での相互運用性の確保に注力する方針を明らかにした。
同日発表されたのは、カメラのP33シリーズとM30シリーズ、ビデオエンコーダのQ7404など8製品。P33シリーズは、リモートから焦点合わせやズーム設定ができ、室内や室外、耐衝撃型のさまざまなハウジング(カメラを格納する筺体)に設置可能。SVGA(800×600ピクセル)やHD720p(1280×720ピクセル、プログレッシブ)などのモデルをラインアップする。
M30シリーズは天井埋め込み時の高さが約3センチの省スペース型モデル。新たに720pモデルを追加した。Q7404は4チャンネルのCCTVカメラとの接続に対応し、H.264に画像変換する。いずれも8月下旬から出荷する。
奥田氏は、「ネットワークカメラへの移行でセンターでの一元管理やアプリケーション連携の拡大が容易になるといったメリットがある。オープン性が高く、パートナーや国内メーカーとの開発連携を広めたい」と話している。
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