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カーエレ産業は2012年に完全復活、IT業界のけん引役に:アナリストの視点(2/3 ページ)
トヨタ自動車の赤字転落や米General Motorsの破綻など、自動車業界には逆風が吹き荒れている。それに伴い、ITとも関連の深いカーエレ業界の市場はどう変化するのか――。
カーエレ(国内生産)の品目分野別/市場規模の推移
下記の図表は、カーエレ装置を5つに分類し、主な製品をまとめたものだ。表製品の生産台数を集計して、2003〜2014年までの分類別市場成長率(国内への出荷や輸出を含む国内生産台数推移)を表している。
5つの分類を合計した年平均成長率において、2003〜2008年までの実績値は105.3%を示す。2009〜2014年までの予測値は104.4%となった。成長率の底にあたる2008〜2009年はマイナス成長になるものの、2009〜2014年までのカーエレ市場全体は堅調に推移する。今後乗用車販売台数は減少するが、乗用車1台当たりのエレクトロニクス部品点数が増えるため、カーエレ市場は継続的に拡大する。
2009〜2014年における5分野の平均成長率を予測すると、「パワートレイン系」は104.4%、「シャーシ系」は108.9%、「ボディ系」は107.3%、「パッシブセイフティ系」は107.7%、「アクティブセイフティ系」は114.0%になる。特にアクティブセイフティ系はほかよりも成長率が高く、コンパクトカー指向の今後も需要が堅調なことが分かった。現在、高価格なアクティブセイフティ系システムは高級車にオプション搭載されているが、実際に自動車同士が衝突した時に大きな被害を受けやすいのはコンパクトカーだ。コンパクトカーの中にも、アクティブセイフティ系システム搭載モデルが登場してくる可能性は高い。
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