業務情報は風前の灯!――出張帰路の安らぎを奪う謎の白い液体:悲しき女子ヘルプデスク物語(1/4 ページ)
わたしにとって出張の楽しみといえば、新幹線内でいただく駅弁。でも時には“思わず目を離せない乗客”に出くわして、駅弁に集中できないこともある。それも仕方ないじゃない。ヘルプデスクという職業柄、気になる出来事もあるんだから――。
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白い液体、登場!
先日、久しぶりに東京へ出張した(わたしは関西在住なのです)。勤務先は、支社ごとにヘルプデスクに相当する部署があるから、わたしが出張するなんてことはめずらしいこと。小旅行気分で新幹線に乗り、段取り良く仕事も終えたわたしは、上機嫌で帰路についた。
足取り軽く、帰りの新幹線に乗るべくホームに向かうわたし。お弁当とお土産を買い込んで、19時頃に出発する「のぞみ」に乗車する。「席は、前から2列目の通路側よね……」と切符を確認しながら、車両の扉を抜けようとした時だった。ちょうどわたしの席から斜め前に当たる席、つまり1列目の通路側に座っているおじさまに、なぜか視線を奪われた――。
いや、正確には、おじさまが持っている飲み物に視線が釘付けになったのだ。そのおじさまは、よくバーベキューパーティなど屋外で食事するときに使う、透明なプラスチックのコップを持っていた。で、その透明なコップの中身が……。
白いのだ。
思わず凝視するわたし。おじさまは、わたしの視線に気付くこともなく、その白い液体を飲んでいた。やがてわたしは、おじさまの横を通り過ぎて自分の席へ座ったが、頭の中はもう、その白い液体のことでいっぱいである。
あの白い物体はナンだろう? 牛乳?
長い旅路に、いい暇つぶしの材料ができた。わたしの席からは、ちょうど自然な位置に白い液体入りのコップが見える。あれはいったい何だろう? このことを考えるだけで、1、2時間はもちそうだ!
見ると不思議な白い飲み物、ちょっと“粘り気”があるようだ。おじさんが飲むためにコップを傾けた時のゆれ方で、その程度が分かる。あの粘り気、どこかで見たような気がするな……。そう、あれは確か、お医者さんで健康診断のときに。
バ、バリウム? まさか! それはさすがにあり得ないでしょ。
じゃあ、ヨーグルトかな? だとすると、あのおじさまはどこからヨーグルトを取り出して、いつあのコップに入れたのだろう? ヨーグルトドリンクはたいてい、缶か紙パックに入っている。コップに移す必要はないはずだ。うーん、疑問は尽きない。
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