米Googleは9月16日、カーネギーメロン大学のコンピュータ科学者が設立した新興企業reCAPTCHAを買収したと発表した。印刷物のデジタル化プロジェクトの推進と、スパム配信や詐欺目的の悪質なサービス利用を阻止するのが狙い。
reCAPTCHAは、同大学のコンピュータ科学者ルイス・フォン・アーン助教授の研究プロジェクトから生まれた企業。reCAPTCHAの開発した技術や変形文字は、古い新聞や書籍からスキャンした文字を使っており、インクが薄れたり紙がいたんでいたりして、光学技術を使った現在の文字識別プログラムでは判読が難しいという。
reCAPTCHAの買収により、印刷文字を光学技術で読み取るOCRの強化技術をGoogle BooksやGoogle News Archive Searchといったプロジェクト推進に役立てることが可能になるとGoogleは説明している。
また、これまでのCAPTCHAはボットを使った攻撃で破られるケースが続出し、Googleのサービスも大量のアカウントを不正に取得され、スパムメールの送信などに利用されているのが実態だった。こうした被害への対策にもなると期待される。
Googleとカーネギーメロン大学の研究者はこれまでにも共同研究に取り組んできた経緯があり、フォン・アーン氏はカーネギーメロン大学に籍を残しながら、ピッツバーグにあるGoogleのオフィスにも勤務する予定。
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