CiscoとEMCの新アライアンス、クラウドをめぐる主導権獲得へ:ニュース解説 巨大な新勢力登場
CiscoとEMCおよび同社傘下のVMwareによる新アライアンスは、クラウド事業を展開するメジャープレーヤーに新勢力が誕生したことを意味するものといえそうだ。
米Cisco Systems、米EMCおよび同社傘下の米VMwareは11月3日、データセンター仮想化とプライベートクラウドへの移行の促進を目的としたアライアンス「Virtual Computing Environment」を発表した。(ニュース記事参照)
具体的には、3社の製品や技術を統合したプライベートクラウド構築のためのパッケージ製品「Vblock Infrastructure Package」を提供する。システムインテグレーターやサービスプロバイダー、ソフトウェア会社からなる世界的なコミュニティーを構築することにより、同製品を基にしたシステムの普及拡大を図っていく構えだ。
3社は2008年から、プライベートクラウドにおける共通のビジョンづくりに向けて緊密に協力してきたという。
今回の発表に際し、Ciscoのジョン・チェンバースCEOは「新アライアンスは、単なるテクノロジーやパートナーシップ以上のもの。単体の製品を提供するのではなく、ネットワークをベースとしたアーキテクチャ面からのアプローチによって仮想リソースを最適化することにより、ユーザーの総コストを削減しながら、利用率や消費電力、情報のセキュリティを向上させるという、データセンターに対する全く新しいアプローチを提案するものだ」とコメントしている。
また、EMCのジョー・トゥッチCEOも「新アライアンスでは、共通のロードマップと長期的な取り組みにより、真のアカウンタビリティとともに、ユーザーを成功へと導くベストオブブリードのテクノロジーを提供する」とCiscoとの関係の緊密ぶりを強調した。
新アライアンスは、すでに広く利用されているVMwareの仮想化技術を基に、ネットワーク機器ベンダーのCiscoとストレージベンダーのEMCが組むことによって、プライベートクラウド向けの仮想化ITインフラを提供していこうというものだ。
クラウド事業のメジャープレーヤーといえば、サーバベンダーやネットサービスベンダーの名が挙がることが多い。そうした中で、今回のCisco・EMC連合は、両社の独自のスタンスを武器に、プライベートクラウド事業での主導権獲得に向け、メジャープレーヤーの新勢力として旗揚げした形といえそうだ。
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