東証、「arrownet」にジュニパーのエッジルータを採用
東証は、株式売買システム「arrowhead」を支えるネットワークである「arrownet」に、ジュニパーネットワークスのエッジルータを採用しているという。
ジュニパーネットワークスは3月8日、東京証券取引所(以下、東証)の株式売買システム「arrowhead」のネットワークである「arrownet」に、ジュニパーネットワークスのエッジルータ「M 320」および「M 120」が採用されていると発表した。
arrownetは、アクセスポイントとデータセンター間のレイテンシが「2ミリ秒未満(実測では1ミリ秒以下)」に抑えられた、堅牢なMPLSネットワーク。ジュニパーネットワークスの「Mシリーズ」を二重構成としたことで、arrownetの耐障害性が高められたという。また東証のプライマリデータセンターからバックアップセンターへのフェイルオーバーについては、自律的に切り替えられるとしている。
東証では、データセンター内に証券会社のシステムをコロケーションしシステム間のレイテンシを最小化する(コロケーション)サービスと、arrownetを経由して各社オフィスおよびデータセンターへ接続するサービスを提供している。このarrownetにより東証は、海外拠点からの接続を可能としたという。
東証の鈴木義伯 常務取締役兼CIOは「ジュニパーネットワークスのルータを備えたarrownetは、arrowheadを構築していく上での重要なネットワーク基盤であり、arrowheadの稼働以降、投資家は高速化したレスポンスを体験している。これは、“世界のほかの取引市場と同等もしくはそれ以上の条件で競える売買インフラを提供する”という東証のビジョンを、arrownetが実現していることの証明だ」としている。
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