Oracle、ASFのJCP脱退示唆にコメント
ASFがApache HarmonyへのTKS提供を求めてJSP脱退を示唆したことに対し、Oracleは「Javaコミュニティーにとって今は争っている場合ではない。立場を考えるように」と呼び掛けた。
米Oracleは11月15日(現地時間)、米Apache Software Foundation(ASF)が9日に発表したJava Community Process(JCP)脱退を示唆する発表文に対する“公式な回答”を公開した。
ASFは9日の発表文で、OracleがApache HarmonyにJava SEのテストキットライセンス(TKL)を提供しないのであればJCPを脱退するとし、また、JCPのほかのメンバーに対し、「Java SE 7」仕様への反対投票を呼び掛けた。ASFは過去10年間にわたってJCPの執行委員を務めており、今回投票で新たに3年間の任期を与えられている。
Oracleで標準化戦略・アーキテクチャ部門担当副社長を務めるドン・ドイッチュ氏は「ASFの発表文は、ここ数年のJavaの停滞を助長するものだ。われわれはApacheに自らの立場を再考し、Java推進のためにOracleおよびコミュニティーと協力するよう勧める。OracleはTCKをJava Specification Participation Agreement(JSPA)の下、公平かつ合理的に提供している」と語り、Java SEおよびSE 8をJSPの執行委員会が承認することが、Javaコミュニティーにとって現在の最優先事項だと主張している。この声明を読むかぎり、OracleはHarmonyへのライセンス提供を阻んでいる条項を修正する意向はないようだ。
これに対しASFは公式ブログに「Oracleよ、ボールはそちらのコートだ。約束(JSPAの意)を守れ」という短い記事を投稿した。
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