データ統合ソフトウェアベンダーのインフォマティカ・ジャパンは12月9日、2011年の事業戦略を発表した。新製品の展開や業種特化型の販売およびパートナー体制の強化に取り組み、30%以上の成長率の達成を目指すとしている。
同日開かれた記者説明会の冒頭、11月に代表取締役社長に就任した吉田浩生氏がグローバルでの業績動向を紹介した。米Infomaticaとしては30四半期連続で成長を達成。同社のデータ統合ソリューションが企業顧客の順調な獲得につながっていると説明した。
国内でも、ビジネスでの意思決定を迅速化するためにデータ統合ソリューションを導入したいとする需要は高いという。しかし、企業内に散在するデータを統合するプロジェクトには、一般的に十数億円規模の投資と1年半以上の期間が必要とされ、中断してしまうケースが少なくない。吉田氏は新たな事業戦略の柱に、顧客企業でのデータ統合プロジェクトの成功を支援する体制作りを掲げている。
まず製品面では、マスターデータ管理(MDM)ソリューションや、情報ライフサイクル管理(ILM)ソリューション、クラウドサービスの3つを新たに展開する。これまでのMDMは企業内に散在する多数のマスターデータを一元化することが中心だったが、同社ではまず一部のマスターデータの統合から始め、順次統合していく方法を提案する。
また吉田氏は、製造や通信、医療、金融の分野でMDMやILMに対する関心が高いと話し、これらの業界に対応する営業体制の整備に取り組む考えを明らかにした。これに向けて、各業界で多数の顧客を有する新規パートナーの開拓や、製品ごとにソリューションを開発していくパートナーとの関係強化に取り組む。同社とパートナー企業の担当者が共同で顧客企業に直接訪問する営業スタイルも取り入れる。
吉田氏は、新たな取り組みがパートナーのビジネスを脅かすものではなく、顧客満足度を高めてビジネスの機会を増やすものになると強調する。「従来のスタイルでは、顧客企業の要望を当社が十分にくみ取れないケースもあった。当社とパートナーが一緒に客先に出向くことで、本当に必要とされるソリューションを顧客に提供できるだろう」(吉田氏)。パートナーに対しても、導入事例やソリューションに関する情報の提供、ワークショップの開催強化といった支援策を計画する。
データ統合に関して、海外では多額の投資と時間を費やしても積極的に取り組む企業が増えているものの、国内ではまだそうした企業は少ないという。吉田氏は、新たな事業戦略を通じて国内市場の活性化を図りたいと語った。
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