Windows Phone 7のアプリストア、好調なスタート――アナリストの見解
MicrosoftのWindows Phone 7向けアプリストアの登録アプリ本数は、GoogleのAndroid Market立ち上げ時よりもずっと早く4000本を突破した。
米Microsoftは「Windows Phone 7」の当初の販売データを公表したがらないようだが、この新しいスマートフォン用プラットフォームが市場で確固たる地位を確保する可能性は十分にあると考えているアナリストもいる。
米IDCのアナリスト、アル・ヒルワ氏は12月19日付のリサーチノートに「Windows Phone 7のMarketplaceは開設後2カ月で登録アプリが4000本に達した。これは最近では類を見ない急速な立ち上がりであり、Androidよりも早くこのマイルストーンに到達した。Androidはほぼ同じレベルに到達するのに、2008年10月から2009年3月までかかった」と述べている。
MicrosoftはWindows Phone 7リリースの数カ月前から、サードパーティーデベロッパーに同プラットフォーム向けのゲームやアプリを開発するよう熱心に促してきた。さらに同社は、最低限のハードウェア要件を満たす端末の開発に向けた契約を数社の端末メーカーと結んだ。「ほんの数カ月前まではモバイル市場の落伍者だった企業のプラットフォームを採用したスマートフォンが、今では30カ国で10機種もリリースされている。これはすごいことだ」とヒルワ氏は記している。「来年半ばに、Microsoftがモバイル分野で3番目に巨大なアプリマーケットを運営するようになっていたとしても驚かないだろう」
Microsoftでは、Windows Phone 7が成功すれば、スマートフォン市場で数四半期にわたって続いたシェア低落傾向から脱するとともに、モバイル分野で米Googleと米Appleに後れを取ったという批判をかわせると考えているようだ。GoogleのAndroidおよびAppleのiPhoneは、個々のアプリケーションを格子状に配置した画面を採用しているが、Windows Phone 7のユーザーインタフェースはそれとは異なり、Webコンテンツおよびアプリケーションを「Games」や「Office」など6つのテーマ別の「ハブ」に集約している。
MicrosoftはWindows Phone 7の当初の売り上げに関する具体的な数字を提供していないが、ニュースサイトのTheStreet.comの以前の報道によると、米AT&Tと米T-Mobileから同プラットフォームが米国でリリースされた初日の11月8日には約4万台が売れたという。この数字の出所は「携帯電話の販売に詳しい市場調査関係者」だとされている。
台湾メディアのDigiTimesなどの国際ニュース配信社は、欧州の一部およびオーストラリアではWindows Phone 7の販売が好調だと伝えているが、英小売企業MobilesPleaseの報告によると、英国ではGoogle Android端末とSymbian端末がWindows Phone 7搭載スマートフォンの販売台数を大きく上回っているとしている。
しかしXboxシリーズの場合と同様、Microsoftは利益を生み出す強力な製品ラインを最終的に実現するためであれば、何年にもわたって多額の赤字を出すこともいとわないかもしれない。「彼らはPCの世界で培った実に強力なアプリケーション開発ツールと強固な開発エコシステムを持っており、これらの資源を必死で活用しようとしている」とヒルワ氏はリサーチノートに記している。「誰もWindows Phone 7が市場を席巻すると予想していなかったが、最初のリリースの役割はMicrosoftをゲームに参加させることだった。はっきり言って、これは長期的な戦いであり、それはMicrosoftが長期的に影響力を拡大するのに重要なポイントなのだ」
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