「1000万円以下でオフセット並み」――リコー、プロダクションプリンタ事業を強化
リコーは低価格のプロダクションプリンタを発売する。40本のレーザーを同時照射するVCSEL技術により印刷解像度を1200×4800dpiに高め、オンデマンドながらオフセット並みの品質を実現するという。
リコーは6月6日、オンデマンド印刷向けデジタル商業印刷機(プロダクションプリンタ)のライトモデル「RICOH Pro C751EX/C651EX」を6月20日に発売すると発表した。オンデマンドながら「オフセット並みの印刷レベル」という新製品の投入などを通じ、プロダクションプリンタ事業を強化していく。
印刷速度(A4)はC751EXが75ppm(Page Per Minute)、C651EXが65ppm。価格はC751EXが948万円、C651EXが798万円。
「VCSEL」(垂直共振器面発光レーザー)技術を同社としては初めて搭載。同時に40本のレーザービームで書き込むことで、1000万円未満の低価格帯ながら1200×4800dpiの高解像度を実現した。
内部で冷却液を循環させる「現像冷却液冷システム」を搭載したほか、印刷中のトナー/廃トナー/給紙トレイ交換にも対応。これにより、30日間以上の連続印刷が可能だという。また同社が作成した用紙データベースに基づき、利用者が選択した印刷用途に最も適した用紙を自動選択するという「統合用紙設定システム」も搭載した。
C751EX/C651EXともにコピー/スキャナ機能を標準搭載し、定型複写サイズはA3〜郵便ハガキまで。本体サイズは1320(幅)×910(奥行き)×1816(高さ)ミリで、本体重量は580キロ以下。用紙データベースを保存する内蔵HDDの容量は320Gバイト。
5月に1万人の従業員数削減を発表した同社の近藤史郎社長は「今後は事業の創造と集中をテーマに、成長分野であるプロダクションプリンタ事業を強化していく」とした。既存機種も含めてプロダクションプリンタのグローバル年間販売台数7000〜8000台を見込み、同事業で2013年に2500億円(2010年から66%増)の売り上げを目指す。
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